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経営学はビジネスの役に立たないのか

一つ目のブログから非常に仰々しいテーマになったけれど、とりあえず書いていく。
最初に書いておくと、経営学をこき下ろす訳でも、持ち上げるわけでもなく、かといって画期的な結論もない。
二項対立というより、エッセイのような形で読んでもらえると嬉しい。

また、今回は経営学の知識はビジネスに役に立つのかという論点について書きたい。”MBA(という学位)は役に立つのか”というテーマに関しては違ったインサイトがあるため、また別の機会に書く。

私は、ある大学の経営学系の学部を出た。学部卒だ。ゼミでの専攻は経営から離れるが、大学4年まで経営の単位を取得する必要はあり、結果として、大学の1年の時から、4年間経営学を学んだ。
ただし、私は、多くの他の学生と同様に、試験で単位を習得する以上の価値観を持っていなかった気がする。
”そもそも、そんなやつが役に立つのかどうかを論じるな!”と言われてしまえばそれまでだが、ゆっくりお付き合いください。

大学に入る前は、経営学を学べばある程度、ビジネス・会計の知識が身につくだろうと考えていた。
ただ、当然経営学等の学問を勉強しなくても、ビジネスで成功する人は沢山いるということも知っていた。

そんな私が、経営学の講義を受けた時の所感として、経営学は、楽しい学問じゃないし、”当然のこと”を言っているだけなんじゃないか?というものがあった。
特に、次から次へと出てくるケーススタディは、あれは結果論で因果を説明しているだけで、なんの意味もないのではないかという邪推があった。

さらに、そんな”当然のこと”と”ケーススタディ”の合間に、経営学の教授が、”〇〇(企業名)は、このような理由で失敗した!もっと、経営陣は、△△すべきだ!”というような提言を頻繁に語っていた。それを聞いて、“経営学の教授ってなんて適当なことを言うんだ”と思っていた。
その感情は個人的な事情に起因する。というのも、彼らが言っていることが正しいかどうかはともかく、私には親戚に商売をやっている方がいて、もしその親戚が、経営学者にこのような論調で批判されてたらと想像して、非常に腹が立ったからである。
その感情は私の思い込みの可能性が高いことは承知の上で、結果論で安易な言葉で何かを批評するずるい人間は好きではない。

当然、教授は悪意を持って、誰かを見下したりしてはいなかっただろうけど、当時の私にとって非常にショックで、それから経営学は、4年間に渡り、苦手な学問だった。
試験の勉強をしていても、とにかく腑に落ちないことが多かった。ちなみに、白状すると、私は、経営学関連の講義は、軒並み評価が悪かった。だめだこりゃ。

と、ここで終わってしまったら、私がバカなだけのブログになるので、別の観点を加えたい。それは、経営者自身はどう考えているのかという部分だ。

これまでいくらか読んだ本の中に、経営学の知識に肯定的な意見を持つ経営者がいくらかいたのを思い出した。
経営学の知識を肯定していた経営者で、特に私の印象に残っているのは、星野リゾートの星野佳路氏とエイベックスの松浦勝人氏だ。

正確な引用は覚えていないが、
星野佳路氏は、星野リゾートの経営を、MBAの教科書通りに行ったら結果が出たと仰っていた。(勿論、それだけではないだろうけど…)
松浦勝人氏は、エイベックスの社長になったあと、試しに社内で経営学の研修を外部講師を招いてみた経験から、自分でやってきたことを難しく言っているだけ、と感じた一方で、理念や考えを言語化することには意義を感じていたようだ。

上記の通り、”ベストプラクティスを通じて、方向性を整理する”ためにはある程度役に立つのかもしれない。

さて、私が、このテーマで描こうと思ったのには別の理由がある。最近、入山章栄氏(早稲田ビジネススクール教授)の”世界標準の経営理論”を読んだからだ。
この書籍は800ページあり、控えめに言っても、重い本だったけど、文字通り世界標準の経営理論をざっと見通せる良書で、読み物としても非常に良かった。

ちょっとずつ咀嚼しながら、面白いなぁと思いながら読み切ったのだが、さて、これは役に立つのか?と思ってしまって、学部時代の私を思い出したのだ。

入山氏は同書で、私のような穿った見方を持つ小物にもわかりやすく、巻末で経営学の性質を書いてくれた。
それは、経営学は、いわゆるある現象に対しての人の考えを探求するものであって、さらに、答えを出すようなものではないということ。
また、学術の世界では、経営学独自の理論がないために、経営学のフィールドではなく、経済学・心理学・社会学のジャーナルなどで露出した方が評価が高いと言われている現状もあるようだ。
ただ、その中でも、自分でいかに腹落ちして考えて、なぜそう言えるのかと言う点を考えることが大事だと彼は強調してくれている。非常に立派な人だなと思った。

結論もあってないような長文になったけど、経営学を使って、仮に思考を整理すると言うことができればそれは役に立ったと言えるし、一方で経営学の知識に従えば必ずしも答えが出るわけではないという当たり前な話なのだ。
学部当時の私に向けて、一言言うのであれば、ケーススタディや経営学の問いに対しても過剰に疑惑を持たず、課題に対して、自分の考えを整理して、自分なりの答えを出すという訓練は決して無駄じゃないぞということ、その一方で、経営学と言う狭い範囲のみで課題を解決しようとするとうまくいかないかもしれないぞ、ということだろうか。

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