最初に言っておくと、私はMBAは持っておらず、賛成でも反対でもない。経営学部出身ではあるが、恥ずかしながら、単位のための勉強以上のことはしていない。だから、実体験を含まないインサイトなってしまうけれども、お付き合い頂きたい。
先日、経営学はビジネスの役に立たないのかというブログを書いた。そのトピックと似ているが、MBA(経営学修士)はどうかという話は分けられるはずだ。MBAは特別なカリキュラム・環境が与えられるし、ステータスとなる。(経営学は、たしかに、学部として存在するが、MBAほど整ったカリキュラムは存在しないし、ステータスとしてあまり特別視されない。まして、経営学の知識だけなら、独学で身に付けることが出来る。)
このブログは、実体験を含まないものと言ったが、私が直接会った知り合いのうちでMBAについて議論した人から聞いたメリット・デメリットが少なからず私の考えに影響しているので、それを先に書いておく。(議論したとは言え、必ずしもMBAを持っていない人も含む。)
MBAのメリット
などが挙げられた。
この次に、MBA反対するとしたら、というデメリットの意見だが、こちらは一言でまとめたい。
それは、"この上記に羅列したメリットは、MBAがなくても、解決出来る"ということだ。これは、当然と言えば当然で、MBAがなくても、ビジネスにおいては成功出来るし、MBAを持ってないからといって弾かれるコミュニティはおそらく存在しない。
また、ビジネスでは、MBAは役に立たない、と言われることは往々にしてあり、馬鹿にされるケースは少なくない。
よくビジネスにおいて、失敗したプロダクトを揶揄するときに、”どうせMBAの奴らが考えたんだろう”といった理由付けがされることがある。
ただ、一番最初に挙げたメリットであるステータスという点についてはどうか。
これは、MBAを議論するうえで、避けられない点だと考えられる。
MBAをソリューションとして見た時に、MBAを持ってなくとも解決出来る目的・課題は沢山あるが、MBA自体に価値があると考えた場合、MBAがないと話にならない状況は出てくる。
もちろん、MBAがないと、有無を言わさず足切りされることということもほぼあり得ないかもしれないが、持っているのといないのでは明らかに扱いが違うことは当然あり得る。これは、おそらく、日本では滅多にないが、日本と比べて、学問の競争が激しく、学歴がステータスとして重要な海外であれば、この点は避けて通れないと思う。
当然、海外では、MBAは当たり前に多くの人が持っていて、海外の企業のコーポーレートサイトの”Members”とかのページにある幹部人とかはほぼ全員MBA持ちなんてザラだ。そして、私が驚いたのは、海外展開を盛んに行っているある日本の企業の海外支社ページを見た時だ。その企業の海外支社の幹部人が、ほぼ全員MBA持ちだったことがある。これは、海外企業の幹部とは訳が違う。日本の法人側がMBAで切っているわけではなく、おそらく日本法人の海外支社レベルのステータスを得るために、そもそもMBA持ちでなければスタートラインにすらたてないのかと感じた。
ただでさえ、そのMBA自体に価値がある一方で、メリットで羅列した事項が達成出来るのなら、MBAから得られるものはとてつもなく大きい。
(※余談だが、この記事を書くために、MBAに価値があるかどうかをQuoraでいくつかの議論を見てみると、MBAを取ると明らかに給料に違いが出るとの回答がとても多かった)
ところで、MBAの入学プロセスでは、”Why MBA”という点を重要視されているようだ。
これは、これまで記述した点を包括する非常に重要な質問だと思う。
この質問が意味するのは、あなたは、これからMBAがなくても達成出来る課題が殆どだが、それを踏まえて、あなたはなぜMBAに来たいのか?という問いである。(当然、MBA自体に価値があり、それがないと話にならないから、と答えたら、その時点で終了だ。)
さて、実は、私はMBAについて、初めてこのように文章化してみたが、海外を視野にいれるなら、海外で通用する特別な技能がない限り、改めてMBAというのは価値があるように思えた。言うまでもなく、MBAの後、何をするかということが重要視されるが、MBAによって得られるものは大きいのかもしれないと思った。一方で、それほどMBAを通じて解決したい課題もなく、キャリアとして明確なプランを持っていない私にとっては現状では必要でないとも思った。
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