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実践的な知識とは何か

SNSを眺めていた時に、あるデジタルマーケティング関連セミナーの広告を目にした。
その広告では、"実践的"という文言が強調されていた。

その時、実践的な知識とは何か、逆に、そうではない知識は何か、ということをふと思った。
セミナーだけではなく、書籍やTVなどあらゆる場所で実践的な知識という言葉は頻繁に用いられる。

実践的な知識とは、"やろうと思えば誰でもできる上に、効果が出る確率が高いもの"を指すと認識している。これは、反意語の"理論的"、つまり、理論上そうなるけど、現実的には難しい、そして、特別な人にしか当てはまらない属人的なものではないことを指すだろう。

上記のことを考える中で、ある会話を思い出した。それは、ある領域で結果を出した人に。何らかのコツを聞いてみたときの会話だ。
その時、彼は、次から次へと"実践的な知識"をシェアしてくれた。
彼は、頭が良かったから、自分を大きく見せるようなアクロバティックな言い回しはなく、とても基本的なことを色々教えてくれた。
実際に、それは、今すぐにでも出来ることばかりで、実際に自分もやってみたし、無闇矢鱈にやった場合よりもうまくいったと思う。

ただ、私は当時感じたのは、その実践的知識が、いかに”普通”のことかということだ。

確かに、何も考えず、パッと思いつくことはなかったとしても、ちょっと調べて、論理的に組み立てて行けば到底辿りつくようなことだったのだ。
当然、彼を馬鹿にしているわけではなく、結果が見込める基本的な施策を組み立てて、やり切るということがいかに大事かということを思い知った。逆に言えば、それが出来ていないことがほとんどだということだ。

それを踏まえて考えたいのは、実践的な知識を知りたいという人は、本当に実践的な知識そのものを知りたいというよりも、実践的な知識を結果を出した人から何かを聞きたいというニーズの方が大きいのではないかと感じることだ。

なぜなら、繰り返すように結局は実践的な知識は基本的な知識をもとに導かれるものだからだ。おそらく、実践的な知識というものに惹かれてしまう人は、基本的な知識を身につけた後に、実践的な知識というレイヤーがあるように認識していて、かつ、その実践的な知識が基本的な知識というレイヤーとかけ離れているように錯覚しているのではないか、と推察している。
(蛇足だけど、ここでは、学術的な難解な知識は対象にしていない。それらはいわば、専門的な知識であるから、上記のいずれのレイヤーでもない。)

結局は、その時々の状況に応じて、基本的な知識に基づきながら、自分の頭で考えた施策にしか価値はなく、普遍的な実践的知識がなくてはならない状況などは存在しない。

結論としては、月並みな言い方になるけれど、実践的な知識を求めることにあまり価値はなく、基本的な知識を押さえてから後は、自分の頭を使って、答えを考え抜き、現実に当てはめることが重要であるということだ。

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