私は、ある程度重要な書類などの成果物に対して、自分でも何度かチェックした後に、出来るだけ他人にチェックしてもらうようにしている。
人から指摘が入るのはあまり気持ちの良いものではないが、完成度を担保するには欠かせないと思う。ダブルチェックの目的は、自分では気付きづらい点を指摘してもらうことである。
ミスをしないことは心掛けるべきで、自分でもチェックするのは当然だけれども、何度かチェックしても、閾値みたいなものは存在するから、他人に見てもらって指摘してもらうのが一番スムーズだと思う。
ちなみに、私の知り合いで、ある外資系銀行で働いていた方に聞いた話では、外部にメールを送る時、とりあえず近くにいる人にダブルチェックをお願いすることがルールとなっていたという話を聞いたことがある。
さて、他人からのチェック、または、自分が他人のチェックをする際の、チェックの目的はおそらく2パターン存在する。一つは、文言や言い回しなどの文章訂正、もう一つは、知識の補足や監修等の内容訂正である。前者は人によってクセがあるから人に見てもらうと直しやすいし、後者は特に自分よりその文章内容の領域に優れた人にやってもらう必要がある。いずれにせよ、他人のチェックは有用だ。
話は変わるが、最近、髪の毛を切りに行った。その時は、髪を無料でカットする代わりに、経験が浅い美容師が切りますという誘いがあったので、トライしてみた。
結果的には、特に問題はない仕上がりだったのだけれど、切り終わった後、そのカットしてくれた人の上司のような人がチェックをしてくれて数カ所カットの修正を行なってくれた。元々、仕上がりには不満はなかったが、なるほど確かに、修正後の方が良い仕上がりだった。
ここでも、ダブルチェックというのは有益だなと思ったのだけれど、もう一点あることに気付いた。それは、私はその上司の方にも、一度髪を切ってもらったことがあって、その時は特に良い仕上がりだ、と感じた記憶はなかったことだ。(逆に問題もなかった。)
つまり、どちらが切ろうが、後から別の人間がチェックをすることによって完成度は向上しうることがわかった。当然、最初に手を加えた人がベースを作るから、ある程度修正の余地(修正のしやすさ)には違いはあるだろう。でも、多くの目が入ることによって精度が上がる可能性は高い。
ダブルチェックによって自分の未熟さが露呈してしまうのは、とても恥ずかしいし、ミスしないのがベストだ。しかし、自分では気づかない点はどうしてもあり得るし、ミスがあったからと言って、必ずしも能力不足とは限らない。ダブルチェックを通しての他者からの指摘は練度を高めるために必要なプロセスと割り切るという考え方が良いのではないかと思う。
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