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Googleが生んだ職種

Googleは偉大だと思う。これは時価総額・利益・ビジネスモデル等の客観的な観点からもそう言えるだろうし、個人的にもGoogleによって色々なことが便利になったし、効率化された。
以前、ブログにも書いた通り、私は便利なITツールに畏敬の念を持っているから、良い意味で慣れることがなく、日々新鮮な気持ちをもって、これらのサービスは心の底から素晴らしいなと思っている。
(少し前も、Googleのスプレッドシートの便利な500個ほどの関数シート一覧を眺めながら、興奮していた。)
Googleが生み出したツールがどれだけ世界を便利にしただろう。(しかも、無料で使えるものが数多くあるのも驚愕である。)

偉大な点の一つとして、Googleのツールを使える・あるいは詳しいというだけで成り立つ職業が世の中に恐ろしいほどに生まれた/生まれ続けることだ。
Googleでいかに検索上位表示をさせられるかに詳しい"SEO専門化"やGoogle広告を運用に詳しい"ネット広告代理店"や、Googleアナリティクスのデータをもとに分析出来る"データアナリスト"などがいる。
本当に掃いて捨てるほどいるといって良いぐらいに非常に多い。また、上記にあげたような詳しい人・職種だけでなく、それに派生するツール(Google広告自動運用システム・SEO自動分析システムなど)も加えられる。
Googleがもたらした経済効果・雇用の数は凄いと思う。
逆に言えば、今やGoogleの仕組みやツールを知らずして、Webマーケターやデータアナリストを名乗っている人はあまりいないだろう。

さて、古い考え方かもしれないが、私は"雇用を生むことは尊いこと"だと信じている。やはり、雇用を生む経営者・企業は非常に立派だし、尊敬されるべき存在だと思う。
(※当然、ブラック企業など極端な例は除外する。)
実際、こんなことを言えば、資本主義者の回し者だと揶揄されることは請け合いだけど、それでもそう信じている。

リスクをとって起業した人間が、利益を上げ、その利益で人を雇用することで、誰かの給料になり、経済が回るのだ。
資本主義に賛成か、反対か(あるいは、正しいか間違っているか)は置いておいて、実際に、現状そういう仕組みで世の中は回っている。

話を戻して、Googleによって生み出された職種による弊害も当然ある。
Googleが生み出した雇用などの素晴らしさを書き続けたいところだけれども、今回のブログのテーマは、その弊害についてだ。
(※ 当然、Googleが責任を問われるべき弊害ではないことは最初に書いておきたい。)

(海外の現状は知らないので、)少なくとも国内では、"Google広告を運用手数料20%で運用します!"といった営業文句で連絡してくる馬鹿げた"ネット広告代理店"や、 "SEO対策しませんか?弊社は、SEOの競合性の高いキーワードで上位表示を行った実績が"などのおせっかいな"実績あふれるSEO専門業者"などがわんさかいる。
どの企業も一度はこのような文言で営業を受けたことがあるだろう。本当に文字通り掃いて捨てるほど存在する。

Webマーケティング・広告市場はとてつもない規模の市場だから、このような馬鹿げた職種も成り立ってしまう。
少なからず需要がある分、成り立つこと自体には疑問は持たないが、健全ではないし、嘆かわしいとは思っている。

彼らは、Googleのツールに少し詳しくて、その使い方が分かるだけの人たちなのだ。しかも、これらの業種は労働集約的で、差別化は出来ないのがほとんどだ。
乱暴な言い方になるが、テンプレ的な業務を行うだけのいわゆる作業屋である。(※彼らはそのテンプレ作業を"独自のノウハウ"と呼んでいるのも皮肉である。)

その職種が否定するわけではないが、正直言って、この界隈の業種・企業が必要以上にセルフブランディングを行っているのを頻繁に目にする。
実際に、Webに詳しくない企業の担当者が、このようなうさんくさいWeb代理店にぼったくられている事例も頻繁にある。
そのような事例を見るたびに、うんざりするし、倫理的にどうもおかしくないか、と思う。

その意味で、彼らはプロとは呼べない。発注者の依頼を、自分たちのテンプレ作業に落とし込むために、情報をそぎ落とし、加工しているだけだ。
成果は半分運任せのテンプレ作業といえる。当然、発注する・される側も、ただの作業代行の業務委託として暗黙知があるのならいいのだが...

愚痴っぽくなってきたのだけれど、結論としては、需給に伴って色々な職種が生まれつづけるが、そこにプロ意識や倫理観なしに、成立してしまう職種がやはり世の中には多い。

世界にはゲームチェンジャーといわれるような先進的かつ画期的な企業が次々に生まれてくる。いたちごっこのように、"ひずみ"は生まれ続けるだろう。
それでも、その市場の"ひずみ"は解消され、健全化されるべきだ。

素晴らしい未来の企業が、この記事で書いたような"業界のひずみ"を解消してくれることを願っている。

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