ZUUHE BLOG

最も効率的な情報収集方法

仕事中に分からないことがあるとき、どうやって情報収集すれば、その問題が解決する可能性が高いだろうか? それが、一問一答的にググってわかるものであれば、ググればよいが、ある程度の抽象レベル(または専門性)を超えると、簡単にはいかない。

結論から言えば、最も効率的で確実性が高い方法は、"詳しい人に聞く"ことだろう。 書籍、ネットも楽だけれど、情報ソースとして玉石混交であるし、今自分が直面している課題にあてはめることが出来ないことが多々ある。言い換えれば、信頼性と柔軟性が制限される。

そして、Web上で探すという話に限れば、その課題こそが、世の中の情報を整理したいGoogleがまだ十分には達成出来ずにいることだ。
なぜ、このような課題が生じるのか? ①情報探索側の問題と、②情報リソース側にそれぞれ問題があるとすれば、 前者は、課題にたいして、解決出来るような問いを正確に言語化出来ていない(≒何を調べればいいのかわからない) 後者は、情報探索側の意図を想像出来ていない(準備出来ていない、あるいは存在しない)ことだろう
(だからこそ、SEOは検索意図を把握することが大切だと言われ、同時に、Googleは情報探索側が言語化出来ていなくても、"あなたが調べたいことってこういうことではないですか?"と提案出来るようにアルゴリズムを改善し続ける。)

①の情報探索が言語化出来ていない問題は、人に聞こうが、WEBで探そうが問題は変わらず、聞き手(WEBでは、Googleのアルゴリズム)が必死に想像力を働かせる必要がある。 一般的に、課題を正確に言語化するためには、Q&Aを積み重ねるような手段をとるだろう。 だからこそ、適切なコミュニケーションデザインが出来て、想像力のある人間の方が、情報探索側が欲しい情報を与えられるという意味で一枚上手だろう。
単純にWEB上に情報が落ちていない可能性もあるが、それ以前に多くの人がGoogleのアルゴリズムと永遠にQ&Aを重ねる辛抱強さを持っていない。 仮に、GoogleとのQ&Aを続けて、最終的に答えにたどり着いても、あとから考えると、知っている人に聞いた方が早かったと思うことが多いだろう。
信頼性を担保するためには、情報発信者の身元が重要で、近年(といっても随分前から)Googleでは、情報発信者が情報に権威付けすることを推奨しているのもその一例だろう。それでも、権威付けされた情報はまだまだ十分とはいえないし、"信頼性"が担保されたといっても、"柔軟性"はまだ達成出来ていない。

そのような課題を解決するための一つとして、Quoraなどの実名制Q&Aサービスもある。 他にも、Q&Aではないが、実名制(信頼性)に基づいた投稿としては、FacebookやNewsPicksのコメント欄も似たようなものかもしれない。
(厳密にいえば、このような実名性サービスでさえも、Googleの検索結果として表示されるわけだから、Googleが依然として検索意図を満たすという目的の中で重要な役割を果たしていることは言うまでもない。)

しかし、例えばQuoraでも、まだ課題を解決できる知識を持ち、正確に言語化されていない質問の意図を想像出来る回答者が都合よく現れるわけではない。 そして、現れたとしても、そういったサイトでは、コミュニケーションをしながら、正確な情報にたどり着くまでのコミュニケーションプロセスを確立するのが難しい。
たとえ、一問一答を重ねたとしても、それは情報探索者が欲しい正確な情報を与えることとイコールにはならない可能性がある。えてして、そのようなプラットフォーム上では、回答者の想像力が発揮される場ではなく、質問者の漠然さを批判される場になりやすいから、抽象的な情報収集にはあまり向いていない。(たしかに、そういったプラットフォームに関わらず質問者は自分の需要を明確ではあるべきだ。しかし、現実はざっくりと情報収集することは結構多い。)
また、そもそも情報を探していることすら秘匿したいケースでは不特定多数に見られては困るので、それらのプラットフォーム上でQ&Aを展開出来ないという欠点もある。(業務の質問をQuoraに投稿することはあまり考えられない、など)

結局は、詳しい人に聞くことが信頼性、柔軟性の意味で有利となるのだ。

ここまで、やや抽象的な話をしてしまったので、一旦ここで整理してみたい。
例えば、"○○を学ぶにはどうすればいいですか?"という質問で考えてみよう。
言うまでもなく、このケースは情報探索目的が言語化されていない。結果として、WEBだろうが、知り合いだろうが、発信者のポジショントークに引き込まれることになる。(聞き手が想像力に長けた人でない限り。)
次に、"○○を学ぶ中で、△△という点で困っています。調べた結果、××ということが分かりましたが、それが妥当かどうかがわかりません。この場合、どのように対処するべきか知りたい"という質問のケースはどうか。
これでもまだ言語化出来ていないかもしれないが、さっきより具体性は高く、答えやすくなった。
そして、回答にはある程度専門性・柔軟性が要求されるだろう。 この場合、結局、知っている人に聞くのが一番早いという結果になるだろう。
私もドメイン知識がないが、ざっくりと情報収集したいとき、自分の知り合いで賄えればその人に聞くし、無理であれば、外部のパートナーやスポットで相談できる外部の人に力を借りる。
Quoraも非常に良いサービスだと思うが、これぞというときに、情報探索意図とマッチすることが少ない。また、先ほど書いたように、わざわざQuoraで質問しようという気も起きない。

詳しい人に聞くことの手段を具体的にイメージすれば、
・友人や知人などの知り合い(基本的に無料)
・取引先や顧問弁護士など断続的に関係があるパートナー(継続的なサービス料や顧問料を支払う)
・スポットで相談出来るようなコンサルタント(スポットで費用を支払う)
などが挙げられるだろうか?
無料の情報が必ずしも粗悪なものだとは思わないが、良質な情報にアクセスするには身銭を切らないといけないことが多い。

だからこそ、タダもしくは(市場価格より)安価で、色んなドメインに質問しやすいような友人や知人関係を持っているということは非常に大事だ。 友達・知人が多い(人脈が広い)ことに価値があるかどうかはわからないが、知識ネットワークとしての友人・知人関係が広いことには価値があるだろう。
私はあいにく、そのようなネットワークをあまり持ち合わせていないので、身銭を切っていることが多い。 一方、金銭インセンティブがあると楽である。 お金を払っているから、相手は情報を提供する義務があるし、作業が発生した時も質が担保されていなければいけない。
いずれにせよ、良質な情報にアクセス出来る情報チャネルは持っておきたいなとは常に思う。

直接聞くことよりも効果が下がるかもしれないが、書籍やWEB検索以上に良質な情報にアクセスするにはどうすればよいのかを最近考えていた。
繰り返すように、詳しい人に聞くことが最もコストパフォーマンスが高いだろう。

そんな時に、私自身は音主体のメディアをあまりカバーできていないということに気づいた。
情報を音で伝えるメディア、わかりやすい例でいえば、ラジオだし、最近だとPodcastがあてはまるだろう。広義の意味でいうと、youtubeの動画も、セミナーも音のメディアだ。(情報自体に価値があるとすれば、エンタメなど視覚情報に価値が置かれているものを除くと、基本的にyoutubeだろうが、セミナーだろうが、音(言葉)が主体である。)
音主体のメディアは文面化されていることが少ない。
すなわち、テキスト化され、WEBに落ちていない。Google検索でひっかかりづらい。

また、発信された情報自体も、テキストほど整理(設計)されていない。少なくとも、発信者がスクリプトを作り、それに厳密に従っていない限り、データとして整頓されたものと言いづらい。
音のメディアは比較的コミュニケーションデザインしやすいメディアだ。
それが、対談形式やディスカッションベースであればなおさらである。

仮に、スライドを読んだら分かるようなことをくどくど言っているのだとしたら、それはあまり意味をなさないが、つらつらと思いつくことを話しているだけでも、体系的ではないだけで示唆的な内容を含むものが数多く存在する。
(※近い未来にGoogleは検索結果に対し、検索ワードに一致しそうなYOUTUBE動画やPodcastを検索結果に返すだけではなく、その内容のさらにドンピシャな部分を検索結果としてテキストで表示してくれるようになるかもしれない。どうでもいいが、この場合は、一再生いくらではなく、一検索いくらと言った報酬になるのだろうか...?)

具体例として、私が思考軸の一つとして参照している書籍があって、その著者の対談動画をたまたまyoutubeで最近観た。
その対談でのテーマは、その書籍に書いてあることと同じものであったが、非常に新鮮で示唆的なものであった。それは、書籍の内容をわかりやすくまとめているという以外にも、対談の中で派生したトピックや、たとえ話なども有益だった。
それは、書籍を読んだからこそ、相乗効果として吸収出来たという意味合いがあったかもしれないが、いずれにせよ良質な情報にアクセス出来たという感覚があった。
(何よりもその動画では、対談相手である聞き手が非常に優秀で、高いコミュニケーション能力を持ち合わせていたのも大きかった。)

対談だからコミュニケーションがある程度予定調和的なものであるにせよ、詳しい人に自分が直接聞くことの疑似体験ではある。
この話をまた別に展開すると、"ある有名人の考えが知りたいときに、その人のセミナーにわざわざ足を運ぶくらいなら、その人の本を読んだ方がいい。そっちの方が体系的だし、情報量が多い"という考えは正しいが、欠陥があるといえるかもしれない。(どちらかといえば、私もこう思ってしまう派である。)
セミナーの内容にもより、それがスクリプトを読み上げる講演みたいなものだったらそうかもしれないが、例えば、それが優秀な人同士の対談だと、良質な情報にアクセス出来る可能性が高い。"その場で相手にわかってもらうこと"が重要で、単純明快な言葉を使いわかりやすくエッセンスを伝えるという側面もあるからだろう。
例え話が続くが、ある政治のトピックについて知りたいときに、書籍を読むのではなく、それについて専門家同士が議論している動画を見る方が現状を把握出来るといったこともそれに当てはまるだろう。

さあ、長くなってきたのでまとめに入ろう。
何かを知りたくて、情報収集するときに、信頼性と柔軟性という観点を軸に考えると、人に聞くのが一番良い。
それ以外にどのように情報収集すれば、比較的良質な情報にアクセス出来るか。
それは、出来るだけ、"専門家やその現場にいる人"(信頼性)が、"コミュニケーションデザインされやすい媒体・やり方"(柔軟性)で発信しているものが良いだろう。

以上。最初書き出したときには想定していなかったような長さになってしまった。故に、あまりまとまっていないような、ロジックの弱さを懸念している。
情報収集として、信頼性・柔軟性を軸に考えたが、他の軸で考えてみるとまた違ったインサイトになるはずなので、是非自分なりの軸を見つけてください。(なんかチープなネット記事みたいな終わり方になってしまった。)

Tweet

© 2020 ZUUHE