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結局は信頼感

他部署の業務を見て、やや非効率に思えた業務フローがあった。

雑談ベースで、あらためてどんな業務フローなのかを正確に聞き、仕組み化出来そうなところはないか考えてみた。

結論から言えば、業務フローは変更せず、現状維持という結果になったのだが、個人的にはやや心残りだった。
内容としては、エクセルの単純繰り返し作業があったので、マクロ書いて、自動化しませんか?(そのマクロを組む作業自体は私がやるから)という提案を行った。
やりとりは省略するが、結果的には"今の規模ではそんなに手間だとは思ってないから大丈夫だ"となった。

エクセルにマクロを適用するという初期の変更作業は必要だが、中長期的に考えた時、理屈上変えた方が良いとなるはずだったが、そうならなかった。
やや勿体無いなという気がするのだが、私がどういうアプローチをすれば、この理屈通りにいくのだろうと考えた。

私としては、2種類の課題意識があった。
個人レベルでの課題意識として、"別のアプローチをとるべきだった"というものがあり、会社レベルとしては、"今の規模だからこそやっておかないと、今後増えた場合に、工数および変更コストは大きくなる一方だ(から今変えるべき)"と考えた。
後段に関しては、仕組みが整っていないベンチャーならよくある話で、日々の運営で手一杯なのだから、オペレーションを都度見直し、変更することがなかなか難しいという現実的な問題がある。(だからこそ、最初の設計こそ全てだ。)

ハタからどんなに正論を吐いても、受け入れられないことがある。
(私は同じ社内の人間だから、彼とは大枠では同じインセンティブを共有しているため厳密には"ハタ"ではないが、その業務フローに関わっていないという意味で"ハタ"の人間である。)

これを聞き入れてもらうためには、"コミューケーションスキル"と"実行権限(権力)"のどちらか、または両方が必要だ。
後者をすなわちリーダーシップと言い換えるつもりはないが、リーダーシップの要素の一つとして、"理屈として正しく説明出来る事象を正確に把握し、エイヤとやりきってしまう"というのはあるだろう。

人間が運営している時点で、濃淡あれど社内政治力学が存在しないわけがないので、細かなオペレーションを正確に把握し、適切な権限執行が出来る人がいるのと、いないのでは運営は著しく変わるだろう。
(ある凄腕の経営者が経営のやり方を聞かれた時に、"100やることを決めて、100やらせる"ということを仰っていて、非常に感銘を受けた。
箸の上げ下げまで規定するマイクロマネジメント的な言い回しにも聞こえるが、これを行うためにはあらゆる業務フローを正確に把握するという卓越した現場感覚が不可欠である。)

さて、私には相応の権限はないから、前者でカバーするしかない。
(たらればになるが、今回の話が合議制で議論及び意思決定されるものあれば、ほぼ確実に実行に移されていただろう。)

そのあと、こうすれば良かったのかな、とアプローチを頭の中であれこれ考えながら検証していた。
課題に対する解決策を文面化して、一緒に比較したり、アウトプットのイメージの簡単なプロトタイプを作って見せてみるなどの行為はしたが、現状を変えるActionのための意思決定までには辿り着かなかった。

コミュニケーション能力を突き詰めていくと、結局は信頼感であって、文字通り、正論を相手が受け入れてアクションに繋がるのではないパターンの方が多いように思う。
言い換えれば、コミュニケーションを手段として、自分を信頼してもらうのが目的で、その信頼感を持って、アクションしてもらうというのが順番として正しいのかもしれない。

少なくとも個人ベースのやりとりで動いてもらうためには、信頼が必要だなという話でした。

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