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優しさの定義

私は言葉の言い回しや、所作に敏感な方だと思う。
マナーを知っているとか、語彙が豊富であるという話ではなく、丁寧な言葉の使い方や振る舞いが好きであり、逆を言えば、雑なコミュニケーションは好きではない。

細かいニュアンスや表情が気になってしまう。
だから、悪意のあるコミュニケーションをとる人とは距離をとるし、気遣いが上手に出来る人に対しては心の底から感心する。

気持ちいいコミュニケーションを経験すると、とても幸せな気持ちになる。
悪意のあるコミュニケーションに対しては、とてもダメージを受けるし、人一倍引きずってしまう。
そういう人もいるということで片付ければいいのだけれど、しばらく思い出してはモヤモヤする。

さて、最近、良いなと思った言い回しや振る舞いを見て、少し感激したのでそれについて。
沢山あると思うけれど、いま思いつくのが2つあったので、その二つを書こうと思う。


先日、人生初めて興味があった、ヘッドスパに初めて行った。
最初にカウンセリングをしたのだけれど、対応してくれた方が、どうしてこのお店に来てくれたのですか?と聞いた。
ネットで見つけた旨を伝え、そういえば、検索しているときに、このようなことが気になった、と直接施術とは関係ないが、そのサロンのHP上の文言についてフィードバックをした。
そして、差し出がましいながらも、集客に有益だと思い、"話がやや逸れてしまって大変恐縮ですが~~もしかしたら、こういう風に改善するといいかもしれませんね"と少し知見があるマーケティング的な知識をシェアした。
しかし、相手が興味がない話をたらたらとするような客になるのも迷惑だと思い、ささっと打ち切った。
すると、セラピストの方が、私が申し訳なさそうにしているのを感じ取りながら、とても感じよく"もしよろしければ、もう少し詳しく聞かせて頂いてもよろしいでしょうか?"と伝えてくれた。
そうお声がけて頂き、もう少しだけ知識をシェアして、終了した。
施術中も、終始とても親切な声掛けだったので、コミュニケーションの勉強になったなと満足して帰った。
"もしよろしければ、もう少し詳しく聞かせて頂いてもよろしいでしょうか?"というワードのチョイスも声のトーンも完璧で、感激した。


よく通っている美容室がある。
その美容室では、同じ人に切ってもらっているのだけれど、とても丁寧なコミュニケーションをする人だなといつも感心してしまう。
私の施術をしているときに、別のカット案件の状況の伝達なのか、頻繁に他の助手っぽい方がやってきて、耳打ちしていた。
忙しいだろうから、それに関しては、私自身は全く嫌な気持ちにもならなかったのだけれど、カットの担当の方は、「うん、うん、なるほど。ありがとう。うんうん。」という感じで、うまく言えないが、焦らず、一言一言丁寧に対応していた。
その振る舞い方が、伝言している方に対しても、顧客の私に対しても、どちらに対しても不快感を与えないような振る舞いだった。
そのあとのカットに戻る流れもスムーズだったし、良いなと思った。

その美容室は、他の美容師さんも含め全体的にコミュニケーションを上手にとれている人ばかりのように思える。
私の担当の方もずっとその場所で働いているとおっしゃっていたので、良い職場なのかもしれない。
(そもそも、美容師はどこで働いても仕事内容はあまり変わらないと聞いたことがあるので、雰囲気が一番大事なのだろう。)

経験上、美容室などのサロンや歯医者などの病院は自然なコミュニケーションをとれる人が多いように思える。
一方で、例えば、同じ接客業でもホテルのフロントやレストランはあまり多くないかもしれない。

なぜだろうと考えたが、顧客一人当たりのコミュニケーション時間が長いというのが一つあるだろう。
要は、慣れである。コミュニケーション(特に、ビジネスライクなコミュニケーション)の巧拙は慣れという結果である。

たまに、なんらかの質問しようとする際に、こちらが話し始めた瞬間、顔がこわばり、半ば驚きの表情で話しを聞いている人がいる。
個人的にはこのようなシチュエーションがとても苦手だ。こちらも緊張してしまう。
ただ、そういう人と先ほどの違いは単に慣れであり、一人当たりのコミュニケーション時間量なのだろう。

最後に、話はやや変わってしまうが、私が昔、優しさとは何か?ということに気づいたエピソードを書こうと思う。
昔、友人とドライブしていた。4人でドライブをしていて、私は助手席に座っていた。
そこで、後ろの座席の友人が、なんか寒くない?とふと言った。
冷房がきいていたのだろう。

「そうかな?」「いや、そんなめちゃくちゃ寒いわけではないけどね。」といった会話がされていた。

私は何気なしに、後ろの座席に風がいかないように、近くにあった風が出るファンの向きを変えた。
その時、会話しながら運転していた友人が「お、優しいね」と私に声をかけた。
私は驚いた。
その運転してくれた友人は、その時後ろの座席の友人と会話をしていたし、私の動作もほとんど視界に入っていなかったはずなのに、すぐに気付いて、そう声をかけてくれたのだ。

ファンの向きを変えること自体、そこまで寒さの軽減に関係がないことかもしれないし、わざわざ声をかけてくれて、なんて気遣えるやつなんだと驚いた。
ちなみに、彼は一見、雑なコミュニケーションをとる性格に見えるが、このような細かい気遣いが出来る憎めない奴である。だからこそ(?)、異性にモテる。

その時を境に、"優しさとは人の親切な振る舞いや感情に気づけること"だと考えているし、私も人の親切に気付けるような人間になりたいと思っている。

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