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ラジオと対話

みなさん、好きな芸人さんはいますか。
私はダイアンさんという芸人が大好きで、毎週ラジオも楽しく聞いている。
ラジオが放送される月曜日と彼らのYOUTUBEが更新される火曜、金曜はとても楽しみにしている。

昔、私は結構なテレビっ子で、バラエティーを中心に毎日色んな番組を録画して、片っ端から見ていた。
芸人さんはいつもヒーローだったが、こんなに特定の芸人さんにハマったことはなく、毎日ラジオや動画を楽しんでいる。

私は関西出身なので、関西で活躍していた彼らを昔から認知はしていたが、数年前にたまたまyoutubeでラジオの切り抜きを聞いたのをきっかけに大好きになった。
ラジオという媒体には人生においてあまり馴染みがなかったが、誰にも邪魔をされない二人だけのペースのおしゃべりを聞くのは非常に楽しい。
youtubeもそうだが、彼らの話したいことを軸に展開されていくトークはどう転んでも面白いのでわくわくする。

テレビでも大活躍しているような芸人さんでも、ラジオに特別な思い入れがあるのは、そんな自由に色んな話を好きなだけ出来るという空間が魅力的なのだろう。
ラジオは比較的ニッチなメディアであるのだけど、裏を返すと、どんな芸人さんかに限らず、ラジオを楽しんでいる層は結構レアである。

というのも、例えば、有吉さんとかバナナマンさんとかは、テレビでも大活躍していながら、ラジオも長年続けながらも大事にしている。
しかし、有吉さんが好き、有吉さんのファンというのはたくさんいて、現に国内のTwitterフォロワーもトップクラスだ、けれどもその中でラジオを聞いているのは10分の1もいないだろう。
テレビなどで楽しんでいる層と、ラジオで楽しんでいる層が考える有吉さんの印象は全く違うものだろう。

ダイアンさんの場合も、私はテレビに出ている二人と、ラジオの二人は別物だと思っている。
そもそもお二人は特に東京ではまだまだ認知が低いのもあって、現時点で私のようなファンとされる人たちはおそらくほぼ全員ラジオリスナーだと考えている。

youtubeのダイアンさんの動画のコメント欄にあるファンの愛にあふれるコメントはめちゃくちゃ面白いし、ダイアンさんのラジオのハガキ職人の方々もめちゃくちゃ面白い。
対象はもちろんのこと、その周辺のコミュニティも魅力的だと幸せだ。
二人が自由に話しているトピックを、ファン同士で文脈を共有して盛り上がるのは楽しい。
どんな人かというのはテレビでの部分的なトークや立ち振る舞いだけではやっぱりほとんど見えてこないので、ファンになるのはなかなか難しいかもしれない。

私がstand.fm(いまはpodcast)で音声でやり取りしている柴田さんも、伊集院光さんのファンで、20年以上彼のラジオを聞いているらしい。
私は、伊集院光さんのことをバラエティーで見かける程度でよく知らないので、柴田さんから見ると、まったく違うように見えるのだと思う。
ちなみに、柴田さんは、伊集院光さんに特に会いたいというわけではない一方で、ラジオの笑い役の構成作家さんが引退したあとの笑い役がいまいちなので、自分がその役を出来るかもしれないという風なことを書いているガチファンである。実に面白い。
(その文脈で、柴田さんは誰か興味ある人連絡するときは、お互いのメリット・デメリットのトレードのイメージが出来たほうがいいよねという話に展開している。興味がある人はこちらから。)

さて、私が今一番楽しみにしているテレビ番組の話をする。
最近、TVerを使い出した。主に、関西のバラエティー番組を見ている。今最も楽しみにしているのは、"やすとものいたって真剣です"というタイトルの番組だ。
"海原やすよともこ"という女性芸人さんが司会をされていて、主に芸人さんをゲストに招いて、その芸人さんのこれまでの芸能活動などを振り返る番組である。

知らない人のためにいうと、海原やすよともこさんは、関西で(特に女性から。私の母も大好き。)絶大な支持を得ている姉妹の女性芸人さんであり、分かりやすく言えば、女性版中川家さんという感じである。

この番組の何が面白いか。それは、やすよさん/ともこさんお二人のお話を引き出す能力が凄いのである。
一般的なトーク番組だと、盛り上がりが重視されて、話を引き出せないことがたびたびある。
ただ、お二人は根っからの相手を知りたいという純粋な好奇心をお持ちのため、当然いじったり、笑いをいれるものの、無駄に茶化したり、話の腰を折ったりしない。

だから、例えばトーク番組などで、誰かがエピソードトークをしているときに、何らかのきっかけで盛り上がったものの、私は"最後まで話を聞きたかったな..."とか、"ここは茶化さず、この人の考えをもっと知りたいな"と思ってしまうことが多々あるのだが、やすともさんの場合はまさにその部分をしっかり聞き出しているので毎回感動する。この番組は、比較的自由度が高く、その人の人柄を引き出すため、比較的ラジオに近い気がする。

印象的なシーンだと、私が大好きな芸人のとろサーモンさんがゲストでいらっしゃったときに、ボケの久保田さんが若手時代に、ツッコミの村田さんに対して熱い手紙を送ったというエピソードがあった。
今から振り返ると、暑苦しい手紙なのだが、お二人は茶化さずに、うろ覚えだが、"これは久保田くんって感じするわ。今と変わってないと思う。"と手紙の内容に感心していた。
私も普通にとろサーモンの二人の関係性に感動したので、その通りだよなと思っていた。
そして、やすとものお二人は、"私たちの番組ってちょっと違うやろ。男性の司会者とかやったら、なんやこれ!ってワーって盛り上がると思うけど、私らは普通に良いなーって言うてもうたわ(笑)"とおっしゃっていた。
これは、まさにそうだなと思っていて、だからこそ私はいいなと思うし、ゲストで来た芸人さんはいつも嬉しそうにしている。実際この時、久保田さんもやすとものお二人の反応に驚きながらも、嬉しくて泣きそうですと言っていた。

これはやすともさんの人格、コミュニケーション能力がずば抜けて高いゆえもあるし、やすともさんがおっしゃるように男性、女性の特徴というのもあるだろう。
どちらが良い悪いではなく、男性だと盛り上がりやテンポを重視しすぎてしまう傾向があるかもしれない一方で、女性は他人の考えを推し量りながら共感しながらコミュニケーションを進められるのかもしれない。
(言うまでもなく、別にこれは二項対立ではなく人による。)

私も誰かと食事に行ったときなどにその場で盛り上がることよりも、断片的な情報ではなく、どんなことを考えているのか聞きたいなといつも思っている。
おしゃべり自体も好きだが、相手の考えを聞いて、自分も考えを話して、じっくり対話を重ねて行くのが好きだ。

ちょっと飛躍するかもしれないが、コーチングなんかを学んでみると、より新たな発見があるかもしれない。
(だた、なんかコーチングという仰々しい言葉の響きにはやはり違和感があって、仮にそれを学んだとして、"コーチングいかがですか?"と言っても、誰も来ないだろう。)

コーチングやカウンセラーなど対話でイメージ出来る職業でなくても、つまるところコミュニケーションであるからどこでもその技術は高められそうだ。

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