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プロジェクトを進めようよ

プロジェクトマネージャーであるあなたがいる。
クライアントからのミーティングを終え、社内に決定事項・ToDoを伝えると、たまにこんな声があがることがある。

「それよりも、こんなアイデアはどうか。」
「個人的には、XXだと思う。クライアントから追加でこんな情報をもらうべきだ。」
「この部分が個人的に気になる。」

度々あるシチュエーションだ。
別に間違ったことを言っているとは思わない。もちろん、正しいフィードバックであれば、すぐに議論し、対応する。
上記のセリフ自体の言い回し自体が間違いというわけではなく、あくまでもイメージであって、シチュエーションによって全く問題がない。

でも、些末で本質的ではないな、と思うことがたくさんある。

「プロジェクトを進めようよ」という趣旨の話をその時に応じた適切な伝え方で伝える。

今私たちが求められている/やるべきことはプロジェクトを進めるべきことだということを伝える。
プロジェクトをなんでもいいから終わらせよう、ではなく、今のプロジェクトフェーズ(それはリサーチ期間なのか、システム構築期間なのか、マーケティング施策テスト期間なのか...)で求められていることをやろうよ、という話である。
個人的な納得のためにプロジェクトを遅らせてはいけないという当たり前の話もそうだが(もしそうなら論外)、何よりも時間も勿体ない。

書いているうちに、他の具体的な経験を思い出したので書く。
ある社内の担当者に、クライアントからある要望があり、フィードバックが来ているから、対応してくれないか、と伝えると、
そのクライアントの意見に対しては、私は反対だし、こう思うから先方に伝えてくれないかとのことだった。

そんなやりとりを仲介するのも時間がもったいないので、一度クライアントに時間をもらい、3者のミーティングをセットしたのだけれど、いまいちクライアントからの信頼を得ていないせいか、"アドバイス"も特に刺さってはいない。

その社内担当者は、性格の問題なのか、他の案件でも同様の態度をとっていることが多かった。
イメージしやすいようにいえば、"評論家になってしまっている"のだった。

評論家になってしまっているからこそ、本質的ではないことが多い。
連携がとりづらい。コミュニケーションコストが高く、私もどんどんその担当者と連携することをやめた。

他の社内メンバーも当初はまじめにその担当者の"アドバイス"をきいていたが、忙しくなると必然的にその担当者と連携することが少なくなった。
(みんなプロジェクトを進めたい、のだ)

ちょっと話がそれるが、お客様、クライアントのことを思って、という建付けの意見に見えて、相手からすれば、意見の押し付けに見えてしまうこともある。
それがどれだけ正論であったとしても、先方の信頼を得ていない限り、それは意見の押し付けに見えてしまう。

たまに、社内でもクライアントワークでも、私は専門家としてこう思う!と言わんばかり、"ありがたいアドバイス"を振りかざし、他者が聞いてくれないと他責になる方がいる。こんなことは誰も得しない。

自分の話を聞いてほしかったら、信頼を勝ち取るしかないのだ。これは、仕事上、自分にもよく言い聞かせている。
社内だろうが、外注先の方々だろうが、クライアントの方だろうが、信頼してもらうしかない。
信頼されていないのに、"アドバイス"を伝えて、聞いてもらおうなんて相当難しいと思う。

話を戻す。似たような経験は、プロジェクトマネージャーを担当したことがあるなら絶対に経験したことがあると思う。
基本的にどのプロジェクトも事前に想定したことばかりではない。

そこで、各利害関係からの意向を全部聞こうと調整したとて、その先はどうせ炎上案件になるだけ。
書きながら思ったけど、組織によっては、この利害関係の板挟みからは避けられないケースが多くて、どう頑張っても炎上っていうケースだってあるよなぁ。
もちろん、全く馬鹿にしているわけではなく、本当にその悲痛な立場に心の底から共感する。

わかりやすさのためにクライアントワークありきのBtoBを想定してい書いたが、BtoCでも同様。
お客様から求められていることをやろうよ。今進めるべきことを進めようよ。プロジェクトを進めようよ。

あとがき:
「プロジェクトを進めようよ。」ってセリフがあるとすると、なんだか高慢な言い方に見える。
さながら、やれやれと呆れた顔で「これだから分かってないやつは。」といった伝え方。
なんだか感じ悪いなヤツっぽいなぁと書きながら思った。
漫画に出てくるとしたら、悪役。サスペンスなら最初に死ぬやつ。
でも、誰かが決めないと進められない。
みんなを納得させて進めることが理想だけれども、進めなきゃいけないもんね。

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