決めるのは難しい

やりたいことがわからない、というのは、自分のなりたい姿が自分でもわからないと同義であると思う。
仮にそれがあったとしても、その道に突き進むために、踏み出すことを決断するのは難しい。

不安で仕方がない。
その決断が自分にとって合っているものか、というのはやってみないとわからないのは言うまでもないが、その決断で自分が今後後悔するとしたら、その時間と自分の精神的なダメージは大きなリスクだろう。
もちろん、やってみた後悔なんてたかが知れている、と考える人は多いと思うけれど、そう断言するには、実体験はもちろん私がこれまで実際に関わってきた人を見るにも反例を多く見た。

仮に結果が出たら、リターンが大きいはずなのだから、振り返ってあんな行動のコストなんて大したことないやと思うのは当然だ。

はたして自分事になるとやはり難しい。
現状を変えるには(自分の理想に近づくためには)行動しかないというところまではもちろん賛成。
けれども、リスクを取ることが必ずしも正と断言するのは今まで見てきた(結果的に)失敗してしまった人を思い出すと決して簡単にはしたいと思わない。

特性として自分が間違った選択をしてしまった場合の精神的なダメージをかなり負担に感じる人も多いはずだ。
自分がとった選択を正しいものにするために頑張る、という方針はとても素晴らしいものだと思う。
そのようにチャレンジして成功した人は心から尊敬する。

ちょっとここで話を変えたい。

「お金を稼ぐためにお金を稼ぐことは難しい」って話。

起業がわかりやすいので、起業を想定しながら書くと、間違いなく、そういう人たちはいる。

情報商材や詐欺的な論外なケースはそもそも除くとして、会社を大きくしたい、売り上げ(利益)を上げるために頑張れる人はいる。
独立してからそういう人たちとかなり接してきたが、その人たちのエネルギーはすさまじい。
言い方が正しいかどうかわからないが、すごくピュアで、まっすぐな人たちが多い。

そして、それは資本主義というルールにおいて間違いなく正しい。
私を含め傍から評論家的にごちゃごちゃ言っている奴と比べるまでもなく、やっていることの正当性は一線を画す。

彼らを尊敬しつつ、彼らと話していると、私自身のちっぽけさすら感じる。
月並みな言い方だけれども、視座が違う。
成果を最後まであきらめず求める貪欲さや、実現するために細かくまで実行オペレーションを敷く精度もすごい。

私も起業して数年たつが、彼らと同じ土俵にいるつもりでいたけれども、少しずつ自分はできないな、この人たちとは違うな、と感じるようになった。
情けない話だけれども、これは認めざるを得ない。自分に絶望することもある。

便宜上、「お金を稼ぐためにお金を稼ぐ」という言い回しをしたけれど、彼らが実際にオカネオカネしているかといえば、そうではないことは彼らの日々の姿を見ているからこそ自信をもっていえる。
逆説的だけれども、文字通りオカネオカネしていたら、お客様からも、チームメンバーからも信頼されないから、絶対にうまくいかないはず。

でも、お金を稼ぐためにお金を稼ぐ人たちは、お金を稼ぐこと(会社を大きくすること、売り上げ利益を上げること)が優先度が最も高い。
そうすると、優先されないものが多く出てくる。
それらを目的から考えて、不要だと切り捨てなければいけない場面が出てくる。

言い換えれば、彼らは優先度の低い事柄で、些末なことでくよくよしない。
私は些末なことでくよくよするし、能力・特性両面からも「くよくよしないことができない」。
自信・胆力・やる気がないと言われればそれまでかもしれないが、やはりできない。

起業の話とは全く別だけれども、私は格闘技が好きで、日本が生んだ史上最強のMMAファイター堀口恭二選手の著書を読んだ時も同じようなことを感じた。
私は彼の大ファンで、彼の著書では、自分の目標 (例えば、UFCのチャンピオン)になる目標に対して、迷わず努力する。失敗してもすぐに立ち上がる。悩まない。
彼のそのひたむきなピュアさは崇高でさえあって、本当に衝撃を受けた。私とは比べるのもおこがましいが、視座が全く違う。
でも彼と同じ格闘技を生業としている方が彼の著書を読んで、「自分とは違うな」と私が知人の起業家をみて同じ感じたような辛い感覚があったとしても不思議ではないとは思う。

ここまで書いたのは、自虐的な話をしたいわけではなく、同じ土俵で同じルールで戦った場合、その情熱で負ける。
自分の環境が間違っている、最初の話から戻ると、理想的な姿が定義できておらず、環境設定も間違えている。

そもそも、勝ち負けで語っていることすらナンセンスだけど、最も大事なことは自分が幸せであること。
今いる環境を無理やり解釈して、自分の幸せにあてはめようとするには、環境の変数が大きすぎる。

自分にとって理想とする姿を定義して、それはすぐに変わるものであっても、自分にとって幸せなことをしなければならない。

その選択のために決断しなければならない。その覚悟はとっても難しい。
決めるのは難しい。
でも、その決断の難しさが、今まで自分に合ってなかった環境で自分が感じたバイアスによって生じる不安なのであれば、自分を信じて思い切って決断しないといけない。

自分の理想の姿を定義して、どうなるかも分からない中で次の行動を決めることって本当に難しい。

さて、私はなぜこんなブログを書いたかというと、私も一度自分にとって大切なことは何か、自分にとって大事なことのために進むために最近いろいろ決断して、環境を変えてみようと思っている。

最後に、世の中多くの人が自分なりに挑戦をしようともがいている姿が本当に素晴らしいとより最近感じるようになった。
決断して自分なりの挑戦をする人たちを応援したい。私も頑張る。

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