交流プラットフォームに純粋な交流や情報交換を期待して登録したのに、実際にはビジネス目的でのアプローチや営業のツールとして使われることが多く、期待していた価値が得られない、むしろ不快な体験が重なることがある。
具体例として、とある人が、日々のコミュニティ以外の方々の話を聞きたいという純粋な思いでプラットフォームの登録を始めたとする。
- はじめてすぐに、お話ししませんかとDMがくる、さっそくMTGしてみよう。
- MTGしてみると、急に先方が、「弊社のサービスを紹介します」とサービスの営業を始める。
- 何とも言えない気持ちになり、MTGを終える。
- 変な人だったなと思っていると、また数日後別の人から連絡がとどく。
- 「突然のご連絡失礼します。弊社は○○のサービスを提供しています」「よろしければ、一度情報交換いかがでしょうか」とサービスURLも添付してくる。
- うっとうしいので、無視する。
- また数日後、「先日ご連絡した件いかがでしょうか?一度情報交換だけでも」とくる。
- ブロックする。
こういうのが続いて、まともな連絡以外とりあわなくなり、プラットフォームに対する信頼がダダ下がりする。
これは、さまざまなプラットフォームで私だけではなく、多くの人が体験しているお話であろう。ちなみに、上記はとあるプラットフォームで、実際に私が体験した体験である。
このような体験を奨励するかどうかは、プラットフォームのミッションにはよるだろう。
「営業担当者の負担をなくす」ことが目的であれば、全く問題ない。
ただし、もし交流を促す主旨のミッション (ex:「人と人のつながりを深める」)を打ち出しているのであれば、これは大きな大きな致命的な機会損失であると考える。
プラットフォームの意義にはいくつもの側面があって、当然優先度があるだろうが、本当に優先度が分けられているの?と疑問になるほどである。
先の体験は、プラットフォーム側が「交流を促す主旨のミッションを謳うのであれば、是正すべき体験価値の損失」であるように思えるがどうなんだろうか。
是正しないのであれば、少なくとも、サービスの打ち出し方やコンセプトを変えるべき。
言っていることとやっていることが乖離しながら、ビジネスの規模を大きくしたして、それは社会的な価値貢献につながるのか?
少なくとも、それによって、弊社のプラットフォームは「XX名の人に使われており、交流価値が最大化しています。世界一です!」みたいにされたとしても、実際の体験価値が異なっているのであれば、どうも違和感が残る話である。
もちろん、全部がそんなにクリーンに行くわけはないと思うし、確率論としてマイナスの事象が発生することは理解できる。
極端に言えば、「まぁ、人がいっぱいいるんで、交流プラットフォームには、そういうことが確率論的に起こりますので、仕方ないですね。まぁ、やり方によっては、うまくいくので、がんばってください!」みたいな話だろうか?
ちなみに、ここまで正直に言い切る表現をするプラットフォーム責任者がいたら、私は保身のための表現を使わず、全く嘘ついてない点で覚悟があるな、と皮肉ではなく賞賛したい。
結局、「知名度が高い、人気である、外見が優れている」などの要素がプラットフォームで上位表示されているのが常になりつつあるように思える。
それが情報発信者側の信頼性を担保しているという理屈もあるだろう。
でも、それも本質的ではないだろう。
ほかにも細かい話で、プラットフォーム側が、「プラットフォームへの滞在を促すために、外部プラットフォームへのリンクを貼っていた場合、その投稿は拡散しなようなアルゴリズムが働く」みたいな話もビジネス理屈としてはよくわかるが、そもそものプラットフォームの意義と外れていないか?
こんな体験が積み重なるからこそ、プラットフォームが衰退するのではないか。
ミッション・ビジョン・バリューみたいな話が重要である、みたいな話は結局そこにつきるわけで、もしこのような論点が、社内の実際のMTGで、プラットフォームにおいて是正すべき論点であり、最も優先度が高く改善案が打たれていないならば明らかにおかしい。
それをみないふりしつつ、結局は求められる急速な企業価値の向上や利潤の最大化のためにただ無理やり建前のコンセプトを打ち出して、ユーザーを集めることに人生の時間を投下することに何のリスペクトの気持ちも沸かない。
取り組み例として、ひとつ素晴らしいなと思った事例をあげる。
(Webプラットフォームではなければ交流を打ち出したサービスではないので、例としてはおかしいかもしれないが)
「オールドルーキーサウナ」というサウナがあって、こちらはサウナでしゃべっているやつがいると通報が入ったら、リアルタイムに注意する、というオペレーションである。
世界的なWebプラットフォームよりも企業価値や利潤が低くても、私は問題解決の姿勢を心の底からリスペクトする。
「長期的にユーザーが本当に求めているものを理解し、それに応えるプラットフォームであれば、今後も信頼性を保ち、成長を続けられるはず」であるという世界であってほしい、個人的には。
「じゃあ、おまえがそんなプラットフォームを作れよ!実際にやるのは難しいんだぞ!」って意見もあるでしょう。
ごもっともかと思います。
こんな評論には価値はないです。
反論の余地はありません。
以上
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