こんな本を読んだ。
私が陥った中国バブルの罠 レッド・ルーレット:中国の富・権力・腐敗・報復の内幕 デズモンド・シャム
下記のnoteで紹介されてたのが本を知ったきっかけ。
「マジモンの汚職大国」=中国の”本気”が見られる名著の紹介と、それに日本はどう対抗すべきか?という話
詳細のあらすじは上記のブログを読んでもらうとわかりやすいと思う。
簡単にいうと、中国出身で香港育ちで大学は米国といった著者が、金融分野で専門性をつけたあと中国人のアグレッシブな女性経営者と出会い結婚する。中国は知られている通り、企業活動に対する中国共産党の干渉は大きい。そのいびつな状況な中で、"ずる賢い"起業家は政治家やその関係者とのコネを作り、既得権益に食い込んで大きなビジネスをする。目が白黒するのうな額のビジネス規模に到達するが、共産党はいつ方針を変えたら終わり。そして、ある日急にその時が来て…。という話だ。
著者と彼の妻の実体験に基づく手記である。
さてこの本を読むと、いろんな発見があって、中国市場、政治、人々の考え方について新しい視点を得られた。
こういう本を読むと、中国の全体感が分かったかのような気になってまう。
言い換えると、「何かについて新しい視点を得ると、それについて理解が深まったように感じてしまう」。
実際に経験したならまだしも、伝聞だけで何かを理解する気になるのは注意が必要だ。仮に経験したとしても、それは限定的な経験なのかもしれないのもある。
たしかに理解が少しは深まったかも知れないが、氷山の一角に過ぎない。
視点を得たからといって何かを理解した気になるのは危ない。
特に危険なのは、異なる文化・民族のような文脈・背景が分からないケースだと、それが人種差別につながるバイアスを容易に生んでしまうことだ。
私も昔半年だけであるが、留学した経験があるが、ただでさえ半年しかいなかったこともあり、大味な切り口で何かを断言するのは避けたい。
たとえば、メディアで韓国や中国などの批判は相次いだとしても、現地にいたときも、日本に帰ってきてからも知り合ったような彼ら/彼女らに親切にしてもらい、友人としてとても価値のある関係だったことは一生忘れない。
そういったリスクは前提であるが、一方で何か新しい視点を得ようと調べようとする試み自体はとても重要であることには変わりない。このように思考をするきっかけにもなる。
そして、新しい視点を得ることは、「深い理解」にはまだ及ばないものの、「深い理解」のためのきっかけで、扉のようなものにはなりえる。
個人レベルで、深い理解にたどり着くまでにすべきことは何か、をせっかくなので文章にしておきたい。
ありきたりだが、このあたりは最低限必要であろう。
また、できればその体験を持つ人に実際に自ら足を運んで話を聞いてみる、という行動は必要だ。
今回は以上。
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