くるくるPDCAサイクル

尊敬している後輩がいる。彼は働き者で、人格が人生であった中でもトップクラスに優れている。人格面・仕事面ととに私のはるか上にいる。

彼の凄いところは、たとえ未知の領域でも知識・経験がないところからひたすらにPDCAを回しつづけて、成功まで持っていくところだ。
振り返ってみると、やったことはシンプルだったように分析できるかもしれないが、私の身の回りでもここまでの水準でやり切れる人はほぼ見たことがない。少なくとも当時同じ立場でやっても私には出来なかったことは間違いない。

彼を見ていると何事もPDCAを愚直に回し続ければ、結果は自ずとついてくるのというシンプルなことがわかる。
(もちろんどれだけ改善しても、そもそも無理筋なものもあるため見極めは難しいところだが、市場自体が成立しているのあれば理論上改善を回し続ければ最低限うまくいかせることはできるはず)

逆に、PDCAを数回まわしただけでうまくいったなんてケースはほぼないと言い切っていいかもしれない。1年ぐらい愚直に施策を回し続けた結果、振り返ると結果が積み上がっていたみたいな感覚が近い。

私も主に支援側として新規事業やグロースに携わることがあり、短期でうまくいったみたいなことは施策ベースではもちろん存在するが、事業が次のフェーズに乗ったと実感できるぐらいにグロースするのは最低でも1年ぐらいはかかる。そしてそれは後から振り返ると、ここがボトルネックで、あの改善が効いたんだなってことはわかるが事前には予想がつかず、やっている最中は五里霧中のまま試行錯誤しているに過ぎない。いかに事業計画や戦略を作り込んだとしてもうまくいかない。

以前、とある新規事業の支援の話だが、毎週の定例でクライアントに報告しなければならない中で、あまりにも進捗がうまくいっておらず、施策の振り返り・数字のレポート・今後の施策案などのレポートをまとめて報告するのが苦痛すぎて、定例報告会の前日は決まって、飲みにいくことも出掛けることすら気分的に出来ず、自宅で疲弊しながらPCと向き合っていたことを思い出す。結果的には事業計画を超えるぐらいうまくいったが、2年ほどかかったし、軌道に乗った後振り返っても戦略みたいなものはなく、ただひたすらに色んなことをした。
うまくいった理由は説明できるし、ある程度再現性があると思うが、なんか戦略に基づいた一貫したストーリーみたいなものはなかった。

さて、翻ってPDCAというのはすごくよく出来ているなと思う原理原則に沿った普遍的なフレームワークである。

PDCAとそれぞれ文字通りフェーズ管理して、記録しながら実行するかどうかはともかく、どんな施策でもこの流れの順番になることは必然だ。

そして先にも書いた通り、PDCAサイクルと言われるようにこのフレームワークはサイクルを回すことによって価値が生まれる。

PDCAサイクル一回の効果を最大化することではなく、累積の総和を増やすことが目的であるから、検証スピードも量も大きくする。

逆説的に総和を大きくするためにひたすら早く、たくさん回せば一回のサイクルの効果も大きくなる。凡庸な言いまわしだが、量から質への転換である。戦略好きな人はPDCAで最も重要なのはPだ、と主張する。それはある意味では正しいが、中長期的にはそうではない。

まぁでもたしかにPDCAのなかで、CAは実質的にはPであるとは思う。事前に設計したKPI、意思決定基準、計測基盤構築、それに伴うアクションはPですでに織り込まれるはず。CAはその基準をもとに決定されるわけで、Cになって初めて何か情報を整理したり分析したり、次のアクションを決めているようでは遅い。

さらにPDCAサイクル全体でも直近のサイクルだけでなく、そのサイクル結果によって、次回、そしてその次回のサイクルがどのようになるかも設計しておくのが望ましい。

(PDCAばっかり書いててめんどうになってきたので読んでいる方はなおさらそうであろう)

ふと、PDCAそれぞれのフェーズで必要な物は何だろうと考えた。思い付きだが、以下の通りかと思った。

P: 知識・経験・論理的思考能力・想像力
D: リソース(ヒト・モノ・カネ・時間)
C: 論理的思考能力・知識
A: リソース

CAが実質的にPである(特にC)と個人的に思うが、まぁそれぞれPDCAの辞書的な意味から考えるとこういう分け方になりそうかな。

Pはクリエイティブな要素が大きい。経験や知識が非常に役立つ(ex: 新規事業をやる際も経験者がいる/いないは重要)し、そもそも論理が通ってないと計画として破綻するため論理的思考も必要。さらに、不確実な状況を想定する想像力も求められる(これは個人的には知識経験があればいけると思われがちだが、そこまで寄与しないと思っていて、独立した能力として必要に思える)

Dは言わずもがなリソースさえあれば実行できる。機械的に実行するのみでいいと割り切っていい。迷ったりしてしまうのであれば、前段のPが間違っている。

Cも繰り返しPで設計したように結果の確認をすればよい。Aも同じく。

そういえば、調べてみるとPDCAは日本だけで用いれられてそうなフレームワークらしい。
まぁ他の国が何を使っていたとしても、PDCAが示唆しているような計画実行振り返り改善という流れはどんな施策でも共通だろう。

ちょっと話の展開に煮詰まったので以上。

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