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RIZIN40に行ってきました。観戦レポ。

あけましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いします。
昨年は20本足らずしかブログを書いていませんでした。かなり少ないですね。
今年は40本は書きたい。直近下記下書き1本、テーマが決まっているものが2本はあるので今月はいくつか書けます。

さて、私は大晦日はさいたまスーパーアリーナで開催される格闘技イベントRIZINに行っていますので、新年一発目のブログはRIZINいった感想を書いています。

【2022年】RIZIN33に行ってきました。観戦レポ。
【2021年】RIZIN26に行ってきました

2022年年末のRIZINは、格闘技ファンなら誰もが史上最高の興行というでしょう。
米国のNo.2の格闘技団体Bellator(1位はUFC)と、日本の格闘技団体RIZINの対抗戦がありました。

朝倉選手、那須川天心選手がいない大晦日は近年では珍しいですが、その穴を埋めるどころか、RIZIN過去最高の熱がありました。

対抗戦のカードが垂涎ものなのは間違いないうえに、そのほかのカードもすべてレベルが高く勝負論がある試合で、もうずっと興奮していました。
毎年、このカードのときはトイレいけそうだなとか、ちょっと気が抜けそうだなと思うカードがあるのですが、RIZIN40だけはなかったです。
RIZINは、基本的に試合が終わったら間髪入れずテンポよく次の試合が始まるため、出来る限り集中していなければいけません。

私は、RIZIN 100 CLUBという昨年末ごろに始まったRIZIN公式の過去動画のアーカイブなどが見れるサービス(ファンクラブ的な位置づけ)に入会してます。
サイトのUI/UXが悪すぎて全く使っておらず、もうRIZINおよび選手へのお布施の気持ちで継続していたのですが、そのサービス上で前売りのチケットを買ったら、これまでで一番レベルでいい席が取れて非常にラッキーでした。

ただ会場の導線として一点気になったのは、モニターの位置が悪いかなと思いました。入場ゲート向かって左側の2回席のエリアに座っていたのですが、入場ゲートがモニターの役割を担っているほかは、天井近くに通常あるような入場ゲートのモニターが見えずでした。
入場ゲートのモニターは基本試合中の様子は見れるのですが、ハイライトや、選手の入場シーンをアップで見れるモニターが振り返って後ろの天井にしかモニターがなく、やや不便に感じました。
私は選手が入場してくる様子をみるのがワクワクするのと、ハイライトもみたいのでちょっとがっかりなのです。RIZIN運営というよりもさいたまスーパーアリーナの都合だと思うのですが、改善してくれたらなぁと思います。

モニターの話が少し長くなりました。

私は大晦日が一年で一番好きな日なのです。大晦日、つまり年の最終日が一番楽しいって素敵じゃないですか?最高です。
親友とRIZINに行く前に、お昼を食べながらビールを飲み、RIZINを見て、東京に帰ってきて、また酒を飲んで、初詣に行くというルーティンです。今年はRIZINの興行自体もいつもにもまして最高で文句なしです。
毎年こんな素晴らしい日を送れるのは、RIZIN運営のみなさまのおかげです。毎度のことながら、榊原CEOという天才興行師には頭上がりません。その榊原CEOの本が春に出るらしいと会場のチラシで宣伝されてました。必ず購入させて頂きます。
榊原CEOは本当に試合後の会見見ても、ユーモアもあり、聡明で、現場のオペレーションに配慮していて、リーダーとして卓越していますよね。かっこいいなぁ。

昨年はテレビ放送、フジテレビと決裂してしまったことによって、RIZINは。初期はUNEXTのLIVE中継でサーバー落ちしたり、どうなることかと思いましたが、THE MATCH、朝倉選手 vs メイウェザー選手の興業も歴史的な大成功になりました。
さらに世間の格闘技熱も上がったことによって(朝倉選手のBreaking Downもそれに貢献したのは間違いないでしょう)、RIZINはペイパービューにかなり確信をもったように思えます。

個人的な話ですが、テレビ放送がなくなったことで、昨年、一昨年とブログに私怨を書き連ねていた点についても解消されました。
つまり、実況のレベルが低すぎること、意味不明なリングアナウンスの演出があることにかなり不満だったのですが、RIZIN40からはテレビが介入しないおかげでそれがなくなっていて、かなりストレスが減りました。
逆にいうと、フジテレビ、あれはお前のしわざだったのか!とごんぎつねのように点と点がつながりました。
観戦現場の話にも派生すると、テレビがないおかげで、会場とテレビの放送時間等の調整がないため、時間を持て余す必要もなくなります。(例えば19時からテレビ放送開始の場合、会場は19時まで休憩という形になってしまうのです。)
とはいえ、テレビがあるからこそ、大衆のコンテンツとなるわけで、つまり人気に結び付くわけで、テレビを悪者にしてはいけません。それが選手の知名度になり、選手生活にかかわってくるのですから。

前置き長いですが、観戦レポに入る前に、今個人的に最もはまっている格闘技系Youtubeチャンネルがありまして、それについても少し書かせてください。
ジョビンチャンネルという元格闘技選手のYoutubeチャンネルを昨年末ごろに知り、はまっています。
ジョビンさんを知る前は、本ブログでもおすすめしたことがある「総合格闘技 解説チャンネル / MMA」ぐらいしかトップレベルで完成度が高く、個人的に刺さる面白い格闘技系Youtubeチャンネルはなかったのですが、新しく増えました。
ジョビンさんはかつ元DEEP王者で、現在プロゲーマーかつお笑い芸人をされているのですが、技術解説も観る側の視点を広げてくれるのと、ユーモアがあり、毎度爆笑しながら見てます。
今、一番更新が楽しみなチャンネルで、大晦日の興業も早速解説動画を出していて、私は大喜びでした。お年玉です。
先日、DEEPの実況の解説をしていたのですが、日本歴代最高に刺さる実況でした。選手の知識がなくても楽しめる解説って素晴らしいですよね。
RIZINの実況は格闘技イベントとして致命的に面白くないと思うので、ファンとしては改善してほしいところですね。
(高田延彦さんはRIZINというMMAに興味があるのか疑問になりときすらあります。オープニングの「出てこいやー」はアガるのは間違いないので、あまり悪いこと言えないのですが。)

私は青木真也選手のnoteも購読していて、 青木選手はまたより競技者からの視点かつ、運営や選手などの裏側のゴシップ等も入れてくれて面白いです。
青木選手はジョビンさんも言うように歴代日本人MMA選手のトップレベルのPFP(パウンドフォーマウンド)ですから、その方が文章の才能があり、発信をしてくれている状況はファンとしてはありがたい限りです。
青木選手、いつも本当にありがとう。

今はその格闘技にのめりこむ、余韻に浸るための副読本的なコンテンツが増えてうれしい限りです。
いつもこのRIZIN観戦レポを書くときは、あまり格闘技を深く語りあえる人が周りにいないため、このコンテンツのおかげでその欲求が解消されています。

あと、たこの見解【格闘技バラエティ】というエンタメよりも格闘技解説チャンネルもめちゃくちゃ面白いです。
こちらは試合解説というよりも、選手の人生や選手同士のいざこざとかを面白おかしくまとめているチャンネルなのですが、コミカルですが、発信者に高いインテリジェンスを感じます。

長くなりました。格闘技レポに移ります。ここまで読んでくれる人っているんでしょうか?と心配になりますが、神興行についてレポを書けるだけで楽しいですからやっていきます。

【第1試合/YUSHI vs. 中澤達也】
試合結果:YUSHI選手 WIN [3R 判定]
初っ端から唐突ですが、これはひどい試合でした。我ながら、さっきまでの格闘技に対しての熱い気持ちはどこにいったんだって感じですが、これは現地観戦してて苦痛でした。
ただでさえ対戦カード発表当時から、おいおいこんな年末大イベントになんて試合を組んでくれるんだ、と多くのファンが言っていましたが、その多くの不安が最低な形で現実になってしまいました。

対する中澤選手は喧嘩師と名乗るVシネマのおじさんで、お互い決定的な打撃および寝技の引き出しの少なさから、高校生の休み時間のような塩試合をかましてしまう結果に終わりました。
会場全体はオープニングファイトからかなりの冷めムードで、苦笑の嵐でした。

その証拠に私の近くに座っていた別の格闘技ファンが、1Rから「え、これをあと3R見なきゃいけないの?」と苦言を呈していて、笑ってしまいました。

YUSHI選手の人柄はプライベートでも間違いなくいい人でしょうし、過去のRIZINの試合も文句言わずしっかりこなしていたことから、RIZIN運営側からの信頼もあついように見えます。
私も実際会ったら好きになるだろう選手ランキングはトップクラスだと思ってます。

馬鹿にしているわけではなく、YUSHI選手は本当に悪いこと言わないので、ブレイキングダウンを主戦場にした方がいいんじゃないかなぁと強く思います。

試合全体かなりきつかったのですが、特にきつかったのは、中澤選手の入場がRIZINのすべての選手の中で一番長かったこと。そして、寝技で防戦一方でYUSHI選手にとりあえず組み付くという展開に対して、YUSHI選手もまいったなぁって感じで苦笑いしていたのを見た時です。
いや、それはこっちの表情だ、と頭を抱えてしまいました。

RIZIN会場で見たくはないなぁと思います。大晦日はもちろんRIZIN本選(ナンバーシリーズ)ではやらず、RIZIN Trigerの方でやってほしいなぁ。この試合をみて、RIZINの運営は今後YUSHI選手をどう扱うんだろうなぁと気になってます。
また今年の大みそかに出てきたら、絶望です。泣いてしまいます。

【第2試合 “ブラックパンサー”ベイノア vs. 宇佐美正パトリック】
試合結果:宇佐美選手WIN [1R 0分45秒 KO(スタンドパンチ)]
という1試合目の流れがありつつ、実質この試合がオープニングファイトだ!という雰囲気が会場全体でありました。
ストライカー同士の試合です。
ベイノア選手は階級有利といえど、デビュー戦で打撃でドミネーター選手を圧倒し、結果は負けたものの存在感を示し、2戦目はRIZINでありがちな微妙なラインの外国人選に勝ち、武田選手には寝技であっさり沈められという流れから今回。

ベイノア選手は格闘技で一番を目指すという熱というよりも、人気は高い選手のため、求められている期待に応えたいという真面目な姿勢が強い気がします。
したがって、今回は宇佐美選手の試金石的な役割を担ったのでしょう。

結果的に、左フックでKO。かなり美しいKOでした。
1試合目の欲求不満だった会場が一気に熱くなりました。

一緒にいた友人がKOした瞬間に興奮して、私の心臓当たり近くにバンバンと手をあててきて、RIZIN全部見る前に失神するかと思いました。

宇佐美選手、やはり当て感が良く、圧力もあってファイターとして見てて楽しいですよね。
ベイノア選手もサイズでは負けてなかったと思うのですが、序盤から宇佐美選手を押し込める雰囲気がなかったです。
あと、ベイノア選手打たれ弱くなってる可能性高いと思いました。
お互い寝技の展開はなく、打撃戦になるのは事前に想定されるのは容易い中で、あのKOのされ方だと、ベイノア選手の今後のマッチメイクもかなり難しくなりそうですね。

個人的に次、宇佐美選手は、矢地選手、アキラ選手、大原樹里選手とかとみたいですね。
矢地選手に勝っても、その次のライト級のトップクラスの競合だと寝技出来ない選手いないので、かなり難しそうな気もします。
そういえば、矢地選手は木村フィリップ選手に巌流島で思いっきり強めのKO食らってたので、直近は試合なさそうですね。

サトシ選手は国内で別格なので、グスタポ選手を倒せそうな日本人が現状武田選手以外でいそうになくて、宇佐美選手があと数年ぐらいで出来れば面白くなりますよね。
あとでも書こうと思いますが、武田選手は打撃の圧力に対して対応出来ているイメージがなくて、大原選手もわりとあっさり目に負けてしまったので、ある程度打撃で対応できるライト級の強い選手いたらいいのになと思います。
ライト級戦線を考えるとき、朝倉未来選手は階級が違うのに、グスタポを倒せたことをいつも思い出し、やっぱり朝倉選手って素晴らしい選手だなと思いますよね。

ってことで、次は宇佐美選手 vs アキラ選手 or 大原樹里選手希望です!

【第3試合 中原由貴 vs.鈴木千裕】
試合結果:鈴木千裕WIN [1R 4分44秒 KO(スタンドパンチ)]

これはかなりいい試合でした。
中原選手は、実績として申し分なく、前評判もかなり鈴木選手不利という感じでした。

鈴木千裕選手はもってますよね。
鈴木選手も、RIZINからは萩原選手や平本選手みたいな人気の高くポテンシャル高い選手をあてられ、地味に負けられない戦いが多かったと思いますが、それにしっかり勝ち切っているのがすごい。

中原選手はフィジカルがそれほど強くないのか圧力はなさそうに思えたのものの、やはり技術は高く、鈴木選手相手に打撃でも圧倒していました。
どちらかというと、中原選手の寝技の展開したときの鈴木選手の対応を見たかったのですが、中原選手が序盤に打撃が結構入っていた流れでそのままKOされてしまいましたね。

鈴木選手の寝技があまり見られなかったのが歯がゆいところですが、とりあえず勝つのが大事。鈴木選手のとりあえず勝つところがファイターとしての才能を感じます。

次は寝技が優れていて、フィジカルもそこそこ強そうなファイターと見たいです。
次回は、金原選手もしくは摩嶋選手あたりと見たいなぁ。摩嶋選手RIZIN来てから強敵とばっかりやってて、戦績光らないですが毎度試合が面白くて好きです。

【第4試合/ジョニー・ケース vs.大尊伸光】
試合結果:ジョニー・ケースWIN [1R 0分36秒 TKO(レフェリーストップ:グラウンドパンチ)]

本来、ジョニー・ケース vs ルイスグスタポ という好カードがグスタポ選手の負傷で急遽代役となった大尊伸光選手。
前評判としてジョニーケースの有利という見方が多かったでしょう。

ただ個人的にはめちゃくちゃ楽しみにしてました。というのも、ジョビンさんがジョニーケースを分析し、大尊選手に直接フィードバックし指導していたと聞いていたからです。
その効果がどれほどかというのを見たかったので非常に楽しみでした。

ただ結果は完敗。この試合は全カードの中で最も実力差があった試合に見えます。

ケース選手は日本人の格闘技ファンからの人気が高く、観戦の場でもケース応援の声が多かったです。
ケース選手は直近敗戦が続いたので、自信を取り戻したでしょうし、RIZINで引退するまで残り続けてくれると願ってます。

【第5試合/元谷友貴 vs. ホジェリオ・ボントリン】
試合結果:元谷WIN 2R 2分56秒 KO(スタンドでの膝蹴り)

個人的に元谷選手は思い入れのある選手で、ファイトスタイルがかなり好きなんですよね。
地方のジムで黙々と独学で練習し、技術を向上させている姿勢もいいかどうかはともかく尊敬します。
その分、はじめて現地観戦した2年前の大みそかで井上選手に寝技で圧倒されてKOされたのが印象的です。
バンダム級GPで瀧澤選手に残念な負け方もしました。

ここからずるずる負けが込んでいく選手のパターンもいますが、元谷選手は元気にしっかり2022年もフル稼働で勝利を積みました。
格下選手ではありますが、やはり勝ち切るのが元谷選手ですね。
ゼロからまた勝ちを積んで、バンダムトップ選手とカード組まれるまで頑張るというのは想像以上にメンタルがきついでしょうし、途方がない部分もあると思いますがさすが元谷選手です。

そんな元谷選手が年末に組まれたのが、元UFCランカーのホジェリオ・ボントリン選手。

事前の想定では、寝技の展開に持ち込んで、それがどこまで通用するかというイメージでした。
その展開だと怖いのは、パトリックミックス(最近堀口恭司選手に完勝した選手)に寝技で負けた試合ですね。

こうなると嫌だなと思ってましたが、そうはならず結果的には打撃でゲームを作っていき、最後は膝蹴りでKO。

元谷選手は寝技のイメージ強いですが、ストライカーの金太郎選手の試合でもバチバチ打ち合い、プレッシャーもかけていたので打撃も強いですよね。
ガードも下げず強いパンチもらわないので、ラッキーパンチももらわないし、見てて安心感あります。

そんな元谷選手が、元UFCランカーに対して、しっかり相手に合わせてファイトスタイルを変えて打撃でゲーム作って勝ったのはみてて爽快でした。
ホジェリオ・ボントリン選手が若干動きが悪かったように思え、底が見えた感じしないので引き続きRIZINで見たいです。

元谷選手か、井上選手に今年はベルト巻いてほしい。

【第6試合/平本蓮 vs. 梅野源治】
試合結果:2R 3分00秒 勝敗なし

2022年は平本選手の年といってもいいぐらい存在感がでかかったですね。
平本選手は、めちゃくちゃ腫物キャラですが、炎上系とまでは言い切れないインテリジェンスを感じます。

事前の予想で、対戦相手は梅野選手ではないかと予想される声もありましたが、どんぴしゃで梅野選手でした。
エキシビジョン扱いの試合にかかわらず、梅野選手を当て込んでくるあたり、RIZINもお遊びでは終わらせたくなかったという意思を感じて、格闘技ファンとしては大喜びです。

平本選手が間際にKOしましたが、時間切れで勝敗はつかず。
同じ立ち技出身とはいえ、ヒジありきムエタイかつ、階級的な観点から平本選手有利な条件ですが、平本選手はやはり才能の塊だなと思いました。

平本選手のハンドスピードは一級品ですよね。圧倒的に早い。これは参戦した萩原選手との試合の時もそうでしたが、めちゃくちゃ早い。
K-1のゲーオ選手に打ち合いで競り勝った伝説の試合からもわかるように、平本選手は本当に才能の塊です。

ドミネーター戦でも絶望を与えてました。
平本選手のファイトスタンスかっこいいですよね。体感が強いのか、軸が全くぶれてなくて、ずっと相手の攻撃から身をそらさず的確に当ててます。

あとは、セコンドのシバター、久保の煽りあいめちゃくちゃ最高でした。あれは誰が仕込んだんだろう。RIZIN運営の笹原さんあたりだろうか。シバター選手、めちゃくちゃエンターテイナーで出てくるだけで笑ってしまいます。

さて、平本選手は次戦斎藤裕選手との発表が決まりました。
私は、斎藤裕選手はRIZIN史上一番大好きな選手であります。
斎藤選手のオールラウンドなファイトスタイルがめちゃめちゃ好きで、だからこそ朝倉選手との2回目の試合は絶望しました。
牛久選手にも負けてしまってからというもの斎藤選手は格闘技に対する情熱みたいなところがなくなってしまったように見受けられ個人的には残念でした。
斎藤選手は先の元谷選手のようにまたゼロから積んでいくのか、それとも自身である程度格闘技のキャリアに線引きをしていて、面白いカードがあったら必要に応じてやるというスタイルなのかは分かりません。
私はおそらく後者だと思っているからこそ、微妙な気持ちです。平本選手も好きですが、斎藤選手の完勝を予想します。(仮に平本選手は負けても評価は下がらないと思います。むしろここにきてこのカードを組める実力まで来たことがすごいです。)

【第7試合/所英男 vs. ジョン・ドッドソン】
試合結果:ジョン・ドッドソン選手WIN 1R 1分43秒 TKO(レフェリーストップ:グラウンドパンチ)

所選手は、やはり現地にいると人気の高さを感じます。まさにPRIDEが生んだスターです。
ジョンドットソン選手は現ONEで活躍中の超スーパースターのデメトリアスジョンソンと2回も戦っているようで実績としては現RIZINのバンダム or フライ級のトップクラスレベルでしょう。

ジョンドットソン選手がどれくらい衰えているか、そして、どれぐらい寝技に持ち込めるかがキーだと考えていましたが、ジョンドットソン選手は打撃は強いわ、動き早いわ、寝技は付き合わってくれないわで勝ち筋はなかったようにみえます。

所選手はどうだろう。もう45歳で、本人も格闘技に対して引き続き情熱を注いでいるところは見ていて感銘を受けます。
ただし、今回の試合や前回の神龍選手との試合を見ても、技術戦ではなく、打撃戦やフィジカル戦になったときに見ていて心配になるのも事実であります。
今後は太田選手デビュー戦のようなRIZINの門番(MMA門番)的な役割の試合が一番観ていて楽しい気がしますね。

試合関係なく、ジョン・ドットソン選手表情も振る舞いも、めっちゃチャーミングでかわいくないですか?心打たれました。
試合後のインタビューみても、謙虚でユーモアもあり、RIZINで続ける意思もありそうでめちゃくちゃ応援したい。次はぜひ扇久保選手とみたい!

【第8試合/スダリオ剛 vs. ジュニア・タファ】
試合結果:ジュニア・タファWIN 1R 1分38秒 TKO(レフェリーストップ:スタンドパンチ)

スダリオ選手は直近数試合ですべてKO勝ち。
MMAファイターとして着実に適応出来ているように思えます。(レスリング、寝技はまだまだですが)

ある意味幻想がついてきて、もはや国内敵なし。世界に挑んでいけるのかという見方がある中で、ジュニア・タファ選手。
前情報は調べてなかったので、正直今まで通りスダリオ選手が勝つと考えていました。

が、試合始まると、ジュニア・タファ選手が早く思いミドルキックをぶち込んだのを見て、「あ、こりゃ強い人来ちゃったよ」と感じました。
そのあとはパンチでKO。

追記:ミドルキックぶち込まれてませんでした。記憶違いです。失礼しました。

さて、スダリオ選手がここからどうなるのか。打撃だけをとってもジュニア・タファ選手レベルまで持っていけるのか。
ジュニア・タファ選手レベルになった場合、それは世界レベルなのかいう基準がまだわかりません。

引き出しとして、寝技がほぼないと考えられる中で、今回でスダリオ選手の底が改めてみえたように思え、今後の成長曲線はどうなるんだろうと思いました。

ジュニア・タファ選手が本格的なヘビー級ファイターと仮定すると、次にまた別の強い外国人ヘビー級ファイターを連れてこれるのだろうか。
そして、昔のPRIDEみたいにでかい外国人選手同士の試合をまた見れるのだろうか。もし観れたらめちゃめちゃうれしいなぁ。

全盛期のK-1スター・マークハントがセコンドで来ていて、彼を生で見れたのは本当にうれしかった。ちょっと泣きそうになった。

【第9試合/井上直樹 vs. 瀧澤謙太】
試合結果:井上直樹WIN 2R 3分53秒 SUB(タップアウト:アームバー)

井上選手は昨年大晦日で扇久保選手に負けてしまい、キャリア的に結構なタイムロスをしてしまったように考えていました。
実力はどう考えても日本トップレベルで、もう一度海外に挑戦するのかどうかというキャリアがすぐ先に見えていた矢先に敗北。

朝倉海選手にも当てはまりますが、もし日本でRIZINのベルトをまいていたら、今年のバンダム級のBellator対抗戦はそのどちらかだったでしょうし、個人的には井上選手で見たかった。
ここで勝っていれば、そのままBellatorでもUFC再挑戦でもいいので、海外挑戦を今年ぐらいに見れたかもしれない。

負けは負けなのでそんなたらればは非常に野暮な話なのだけれど、今回の瀧澤戦は圧勝だったのを見ても、その思いはより強まったように思えます。

井上選手は、打撃も寝技も一級品でみていて、美しいファイトばかりですね。
パンチが早すぎる。リーチもバンダム級の中でも頭一つ分長いので、圧倒しています。

美しい試合でした。
今は扇久保選手がフライ級に下げたので、バンダム級は空位。海選手、井上選手、元谷選手の誰かで決定戦という感じになりそう。
さっさとベルトをまいて、海外に挑戦する井上選手を見たい。堀口選手やサトシ選手もそうですが、もう日本での試合はいいよ、と思ってしまう選手ですね。

【第10試合/伊澤星花 vs. パク・シウ】
試合結果:伊澤星花WIN 3R 判定 (2-1)

日本女子格闘技史上最高のカード。
伊澤星花 vs.浜崎朱加 が最高のカードだと思ってましたが、大晦日に更新されてしまいました。

パク・シウ選手はどちらかといえばストライカーな気質だと思いますが、寝技テイクダウンディフェンスもきっちり出来ていてすごいですね。
伊澤選手の試合は基本的にどのような形であれ、伊澤選手がタックルして以降は伊澤選手のペースというケースの試合ばかりですが今回はそうはいかず。

伊澤選手は寝技の引き出しが多い選手ではあると思うのですが、今回はリング際の攻防が多いのも相まってか、攻撃パターンがあまりなく攻めあぐねてましたね。

ここで、井上選手同様、伊澤選手は国内もう敵なしなので、海外行ってほしいな。もっとレベルの高い選手と競り合っている試合を見たい。やっぱりハムソヒ選手がいるONEになるのかな。

【第11試合/武田光司 vs. ガジ・ラバダノフ】
試合結果:ガジ・ラバダノフWIN 3R 判定 (0-3)

やっとベラトール対抗戦に入ります。
武田選手はジョニーケースに勝利したのをきっかけに多くのRIZINファンの心をつかみましたよね。
今回もヌルマゴメドフ一門のガジ・ラバダノフとのことで、苦戦は目に見えてましたが、ファン心理としては「武田選手はなんとかしてくれそう」という思いは強かったでしょう。
1Rで強烈なストレートでダウンを取られて、このままいかれれるなと感じていたところしのぎました。

そこからはフィジカルと体力勝負で、ガジ・ラバダノフ選手が優位な状態ではあるものの武田選手も決定打を決めさせず判定負け。

武田選手は、しばらく前の矢地戦もそうでしたが、打撃に対応出来ていないことが多いですよね。
武田選手はフィジカルもメンタルも強いので、決して下がらないものの、ガードが下がっているところを撃ち抜かれるケースが多いように思えます。
もらってもいいからとりあえず押し込んで寝技にするという流れが必勝パターンだと思うので、それまでに被弾してしまうリスクが大きそうです。

ただ、体力がめちゃくちゃありますよね。あんなにレスリングや寝技を続けても、最終的にラバダノフ選手と体力勝負では勝っていたと思います。
どんな練習してたらあんな体力持つんだと練習を想像して吐きそうになりました。

ハビブ・ヌルマゴメドフがセコンドでついていたため、生ハビブを見れました。
後姿を見た時に、背中がでかすぎて、驚きました。あんな生き物と戦ったら、1秒で殺されてしまうだろうなと考えました。
ハビブ選手は幼いころにちっちゃな熊(文字通りマジの熊)とレスリングしてる映像がYoutubeにありまして定期的に見ちゃいます。こんな英才教育があってたまるかって感じです。
全盛期のヒョードルもとんでもないでかさだったんだろうなぁと感じます。

【第12試合/キム・スーチョル vs. フアン・アーチュレッタ】
試合結果:キム・スーチョル WIN 3R 判定 (1-2)

この試合は本大会のベストバウトと個人的に思ってます。

Bellatorの選手は判定システムがボクサーのようにラウンドごとに判定されるシステムであるからこそ、アスリートとしてのMMAという印象を感じました。
MMAでイメージされるようななんでもありの格闘技という感じというよりも、競技性が高いスポーツのようで、見ていて味わい深くて好きです。
(K-1で例えるのもおかしな話ですが、久保選手 vs ピケオー選手の試合が好きです。)

キム・スーチョルは人間的にもファイトスタイル的にもかなり好きです。
まずは、キム・スーチョルがRIZIN側の代表として出てくれたことに感謝。本当にありがたい。

対して、元谷と堀口に完勝したパトリックミックスに勝ったフアン・アーチュレッタ。

もう一回試合見たいので、公式のアップロード待ちですね。

フアンアーチュレッタはパワーはもちろんめちゃくちゃハンドスピードが早い。
Bellator勢は全員フィジカルと打撃のハンドスピードが一回りか二回り上をいってましたね。

とはいえ、キムスーチョル選手は本来のRIZIN基準判定なら勝ったのではないかという声が多数あるほどでしたが、やはり試合は常にアーチュレッタが支配してました。
タックルがほとんど入ってました。ただスーチョルも適宜フロントチョーク決めたり、3Rもいいところまで行ってましたね。
試合直後の判定前の観客へのアピールをみると、やっぱり北米の格闘技イベントっぽいなぁと感じましたし、キムスーチョル選手はもう判定前から敗北を悟ったような表情でした。
フアン・アーチュレッタもめちゃくちゃエンターテイナーですよね。

【第13試合/扇久保博正 vs. 堀口恭司】
試合結果:堀口恭司WIN 3R 判定 (0-3)

この試合も事前から予想で来ていたように堀口選手勝利でした。
対戦カード発表されるや否や、まぁ堀口選手は勝つからBellatorの1勝か確定かといった見方が多かったように思えます。

この試合は、青木選手もnoteにて書いてましたが、扇久保選手がリベンジ出来るかどうか、というよりも堀口選手が本来の適正階級であるフライ級に下げた場合どれぐらいパフォーマンス発揮するのかといったところが醍醐味でした。
勝負論としては、扇久保選手が昨年のグランプリで朝倉海選手が骨折していたのもあり、完勝といえる内容ではあっても、堀口選手に対しての勝ち筋はやはり見えず。

堀口選手は得意の早いカーフキックで試合を作っていく展開。
堀口選手のカーフキックといえば、海選手の試合が代表的ですが、打撃中心の海選手は前足体重がかかるタイプだからこそ、カーフキックが有効だったと考えていたのですが、それは扇久保選手にもあてはまるのかと勉強になりました。
まぁ、単純に堀口選手のスピードを考えると、あのカーフキックは基本誰でも入っちゃうのかなぁ。

追い込みをかけるように序盤からパウンドの堀口選手。あのパウンドは強烈で、昔の山本Kid選手がリングの外に出て、レフェリーストップがかかった相手にパウンドし続けた試合を思い出しました。
心なしか鬼のような表情が似ていたような気がします。

リングだからこそパウンドが打ち込みしづらかったですが、ケージでの試合ならそのまま撃ち込まれてKO勝利だったと思います。

堀口選手も膝のコンディションもあるだろうし、この先そこまで長くないはず。そうすると、BellatorでもUFCでもいいのでベルトを巻いてほしいところ。
一方で、フライ級はそれらの団体であまり盛り上がっていない(Bellatorにはそもそも今ないはず)し、前RIZINバンダム級王者のマネルケイプ選手が現在UFCフライ級で4連勝という破竹の勢いであるところを考えると、UFCならいけそうという気がするのだけれどどうだろう。
UFCフライ級の日本人は平選手がいるし、若い平選手がUFCベルト巻く姿をみたいという気持ちも個人としてあります。
BellatorからUFCに移籍というのも現実的に考えづらそうでもあるし、かといって振り切ってRIZINに戻ってくるのは堀口選手がもったいなさすぎる。
いずれにしても、はやいところもう一度堀口選手の海外でのタイトルマッチをみたい。

【第14試合/クレベル・コイケ vs. パトリシオ・ピットブル】
試合結果:パトリシオ・ピットブル WIN 3R 判定 (0-3)

第15試合のサトシ戦も含めると、日本RIZINの上位群から頭一つ抜けたトップ選手がBellatorを迎えるという構図。
サトシ選手も結果的に負けてしまいましたが、この二人がどうやって負けるのかRIZINで戦っているうちには全く底が見えてこなかったため、『サトシ・クレベルの倒し方』を見させられた気がします。

テイクダウンディフェンスを徹底して極めさせない。そもそもフィジカルが強すぎて、絡まれてもいとも簡単にほどかれるのは絶望的でした。

クレベル選手は打撃での技術が向上していることがあってか、打撃が試合の半分ぐらい占めてたのですが、あれはどういう戦略なのか分からなかったです。
単純にピットブル選手の寝技の隙がなかったからなのか。たしかにクレベルはこれまで格下の選手にも打撃で一発いれられて危ないシーンもあったので、ピットブル選手からの一発のリスクを忌避したかったのでしょうか。

負けてしまったクレベル選手はこれから新しく挑戦するというよりも国内に残る方針かと思います。
RIZINのフェザー級はあらゆる階級の中でもトップクラスの選手層が拮抗しているので朝倉選手や牛久選手と再選しても、鈴木選手でも、金原選手でも、はたまた平本選手でも面白い試合になる気がします。 楽しみです。

【第15試合/ホベルト・サトシ・ソウザ vs. AJ・マッキー】

AJ・マッキーはめちゃくちゃおしゃれで、かっこいいです。スターだ。
入場でマッキーの紙幣がバラまかれるパフォーマンスめちゃめちゃ良かった。席的には全く近くなかったので受け取れなかったですが、欲しかったなぁ。

サトシ選手はここ最近の試合は打撃もレベルが高まっていて、MMAファイターとしての完成度が非常に高く、正直誰が敵うんだとRIZIN見ている限りは思っていたのですが、AJ・マッキー選手そのさらに上。
何度かサトシ選手の得意な三画締めのパターンで組もうとしていた場面もありましたが、AJ・マッキー選手はそのまま上から打撃の応酬していてレベルが高すぎて唖然としました。
特にバックから絡まれた際に、マッキー選手が前転して組みを回避してたのをみたときはこんなパターンあるのかと興奮しました。

ソウザ選手の次の相手はどうなるのだろう。もう国内は誰とやっても面白くないだろし、消去法で武田選手か。Bellatorに挑戦してほしいけれど。

=============
レポは以上です。

このブログ書くのにだいたい4時間ぐらい2日かけて書きました。ここまで読んでくれる人いるんでしょうか?
青木選手は毎興行試合直後に詳細な記述とともに記事をリリースしてて本当にすごいなぁ。筆が早すぎる。
年末の興業をみて、私も今後格闘技にかかわれるような仕事をやっていきたいなと感じました。

今年は大晦日はONE対抗戦を観れたらめちゃくちゃうれしいけど、ONEは契約周りがかなり厳しいイメージを個人的に持っていて、榊原さんもあまりコネクションを持ってなさそうな気もするので実現可能性が低そうだ。
こんな面白い興行今後あるのかな。RIZINの選手のレベルが上がれば、もっともっと面白い興行になるのは間違いないだろうし、榊原さんを信じて「待て」の状態になるしかないですね。

P.S. そういえば、書きながら思い出したのですがRIZINの物販で買う気にならないグッズばかりなのはどうなんでしょうか。
色合いやデザインがかなり微妙で困っています。一応、毎年買う気満々で見に行くんですが、買ったことがありません。これは私だけか...
選手の顔プリントやロゴががっつり入ったものは部屋かジムぐらいでしか着れないのです。

ではでは、今年もよろしくお願いします。次回は昨年の振り返りのブログでも書きます。

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